小学校・中学校の家庭科学習で,布を使った教材として,楽しくかんたんにでき,基礎的技能が身につく,16の作品例をカラーで紹介しています。また,保護者の協力を得るための手紙例や展覧会の準備の進め方を例示しています。
子どもたちの手指が動かない、作業が遅い、授業が思うように進まないという話をよく耳にします。確かに、生活の中で手を働かせる必然性が減少し、子どもたちは細かい作業が苦手になってきています。
先生方は、限られた授業時間や指導の困難さの中で、子どもたちの技能等を考え、針や糸、ミシンを使ったものづくりの作業に苦労していることでしょう。しかし、子どもたちは経験がないからこそ「何を作るんだろう」と関心を持ち、期待を持っています。しかし、学習が進むにつれ、次第に「めんどくさい」ということばが増えてきます。それは、子どもたちが課題にぶつかったサインです。課題を自ら解決できたとき、「めんどくさい」は次の「学習の意欲」へと代わり、自分の力に「自信」をもつようになるのです。指導者として大切なことは、子どもたちが自ら課題解決できるような授業計画を立て、資料、用具を準備し、的確な助言をすることです。
本書は、小・中学校の家庭学習で布を使った教材として、楽しく簡単にでき、基礎的技能が習得できる作品例を紹介しています。また、家庭科の指導に不慣れな先生方のために、用具や布の準備の手順や授業についてのよくある質問をQ&A形式で紹介するなど、授業づくりの基本から取り上げました。
作品が完成したときの子どもたちの瞳は生き生きと輝き、完成した喜びと一所懸命に取り組んだ充実感・自信にあふれています。それは、指導した私たちにも喜びを与えてくれると共に、ものづくりの意義を確認させてくれるものです。本書を活用し、「布を使ったものづくり教育」がさらに拡大、充実することを願っています。
(監修 櫻井純子 / 編集 鳴海多恵子)
ふしぎな池(p.18~19) |
基礎的・基本的な製作技能は、十分に練習を重ねる必要がありますが、技能の習得だけに固執すると意欲低下を招きかねません。「ふしぎな池」では遊びの要素と技能習得を結び付けました。 |
基礎的・基本的な技能 (p.14~15) |
このほか、なみぬい、かがりぬい、返しぬい、ボタンつけ、まつりぬいといった基礎的な技能の解説もわかりやすい図説入りで示していますので、「この方法がわからない」というときに、すぐに確認することができます。 |
キャップの針さし(p.28~29) |
ペットボトルのキャップを使って,手のひらに入ってしまう針さしを作ります。 |
星のクッション(p.36~37) |
2枚の布をぬい合わせて作る星形のクッションです。がらの異なる布で作って変化を楽しむことができます。 |
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製作を楽しく進めるには、難しくないことに加え、危険でないことも重要なポイントです。本書では、まず安全に製作できるように、ミシンやアイロンの安全な使い方を解説しています。 |
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冒頭にはQ&A集を用意しました。授業への導入、準備、実践時の不安等、製作活動を行う際の問題点を洗い出し、その解決法を示しています。 |
はじめに 第1章 家庭科の授業の準備
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第2章 布を使った製作のポイント
第3章 製作の授業を効果的に進めるために
巻末資料 |
編著 | 監修 櫻井純子/編集 鳴海多恵子 |
判型 | B5 |
ページ数 | 64 |
価格 | 本体1,800円(税抜) 定価1,980円(税込) |
ISBN | 9784304020742 |
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