小学校家庭科の学習では,衣食住などに関する知識及び技能を確実に身に付けるとともに,それらを活用して,身近な生活の課題を解決したり,家庭や地域で実践したりできるようにすることを目指しています。家庭科の学習で育成を目指す「生活をよりよくしようと工夫する資質・能力」は,生涯にわたって健康で豊かな生活を送るための自立の基礎として,今後ますます重要になるものです。この資質・能力を確実に育成するためには,GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末を効果的に活用し,「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を進め,「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善につなげることが大切です。
本書は,家庭科の学習で育成を目指す資質・能力,授業づくり,学習評価などについて解説するとともに,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて各地で取り組まれた実践事例を紹介したものです。本書を生かし,学びの質の向上を目指し,魅力あふれる家庭科の授業が展開されることを期待しています。
生活に関して学ぶ主な教科は、学習指導要領では家庭科となっています。しかし、生活は、理科・生物・保健・社会、公民、地理・歴史などあらゆる教科の学習が関わっています。本書は様々な教科で使える内容となっています。
第1章では,小学校家庭科の内容や主体的・対話的で深い学び,ICT(1人1台端末)の活用,学習評価等について,分かりやすく解説しています。
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第1章紙面の例 |
第2章1節では,全国の先生方によるすぐに取り組める15の実践事例を紹介。各事例は6ページで構成しており,題材の指導と評価の計画,ICTの活用,本時の展開と評価について,分かりやすく示しています。 ①.題材における具体的な評価規準をどのように設定したのかが分かるようにしています。 ②.ページ右上のQRコードからは,1人1台端末でも活用できるワークシートなどの資料をダウンロードできるので,すぐに活用することができます。 ③.題材の「指導と評価の計画」を,学習過程に沿って分かりやすく示しています。 ④.題材におけるICT(1人1台端末)の活用について,下記のマークを用いて記載しています。どのように授業の中でICTを活用していけばよいのか,学習過程に沿って分かりやすく示しています。 ⑤.「本時の展開」では,学習活動や指導上の留意点,評価場面,資料等を示しています。 ⑥.本時の評価規準について,具体的な評価方法や判断の基準などを示しています。 |
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第2章2節では,現代的な諸課題に対応した実践例や,SDGsとの関連を図った取組例を3例紹介しています。
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第2章2節の例 |
はじめに
目次
本書の使い方と構成
第1章 家庭科の学習指導と評価の改善
1節 家庭科で育成を目指す資質・能力
2節 家庭科の授業づくり
3節 家庭科の学習評価
第2章 家庭科の授業実践
1節 実践事例15
1 家庭科をはじめよう ~なりたい自分に向って~
2 目指せ お掃除マスター 1年生といっしょに
3 地域の高齢者と協力しよう
4 家族と気持ちよく迎えよう わが家お正月大作戦
5 ゆでておいしく 野菜やいものマイサラダ
6 食べて元気に ご飯とみそ汁
7 朝食はわたしの野菜いためをどうぞ
8 わが家のクールライフを工夫しよう ~夏の着方・住まい方~
9 手ぬいで作ろう マイグッズ
10 作ろう「MyGIGAバッグ」ソーイングで生活を豊かに
11 わが家の冬の快適アップ作戦
12 学校も家もきれいに クリーン大作戦
13 買物名人への道 ~文ぼう具編~
14 工夫しよう 環境にやさしいクッキング
15 未来につなごう わたしたちの生活 ~もったいないをなくそう作戦~
2節 現代的な諸課題に対応した実践事例3
1 プログラミング教育の推進に向けた家庭科の授業づくり
2 食育の充実に向けた家庭科の授業づくり
3 持続可能な社会の構築に向けた家庭科の授業づくりとSDGsの推進
付録 年間指導計画例
編著 | 筒井恭子 |
判型 | B5 |
ページ数 | 144 |
価格 | 本体2,000円(税抜) 定価2,200円(税込) |
ISBN | 9784304021893 |