ホーム販売英語教育人間学の展開 英語教育と国際理解教育の接点を求めて

英語教育人間学の展開英語教育と国際理解教育の接点を求めて

英語教育人間学の展開 英語教育と国際理解教育の接点を求めて

特徴

「英語教育を行うことは人間教育を行うことに通じる」・・・人間関係を円滑にするコミュニケーションツールとしての言語を考え、「英語教育」のわたしたちの普段の社会生活における役割を明らかにします。「英語教育を行うことは人間教育を行うことに通じる」・・・人間関係を円滑にするコミュニケーションツールとしての言語を考え、「英語教育」のわたしたちの普段の社会生活における役割を明らかにします。

まえがきより

「今」をどのように総括し、21世紀にどのような希望と展望をもつべきでしょうか。今こそ「競争・開発・拡大」から「つながり・共生・調和」重視へのパラダイム転換が求められています。「進歩」や「成長」が「希望」となりにくくなっています。人間の存在そのものが、その根幹から大きくゆり動いています。

現代の人間学的課題は何でしょうか。近代文明を支えてきたパラダイムそのものが、その基本から問われている現代。自然を統制しようとする欲望に走りすぎた人間中心主義。科学・技術の長足の進歩によってかえって地球のすべての生命が危うくなっている行き過ぎた科学・技術優先主義、など。人間と自然、心と体、学校と社会など、すべてが分断され、いろいろな病理的現象も多発しています。旧来の集団主義と西欧的な個人主義とがぶつかり合って、渦を巻いています。

個と集団との間の軋轢を乗り越えて、「集団の中で輝く個性」を培うことが教育です。人間と自然、個と個、個と集団のつながりを深めるという広義の「コミュニケーション能力」が育成されねばなりません。コミュニケーションは、集団の中に生きる個の確立のための人間関係をつなぐものであり、表現することによるネットワーク作りの喜びの体験なのですから。

新学習指導要領の施行によって「総合的な学習の時間」新設されましたが、既設の教科学習と無縁のところで実施されるのでは、マイナス効果の方が増えてくることでしょう。今まさに問われているのは、「英語教育」と「国際理解教育」の接点をどこに、どのように見つけてゆくか、という問題です。コミュニケーションの手段としての英語教育に偏向することなく、人間の存在・文化の根幹としてのことばを学ぶことの意義が明らかにされるべきでしょう。異文化コミュニケーション能力の育成を通して、「よりよく生きること」をめざした英語教育が志向されねばなりません。すべての英語教師に、「英語教育を生きる」生き方が問われています。

現代は、「人間学の時代」と言われています。自然との共生の中でも人間。すべての学芸をつなぎ合わせて生きることの意義をつかんでゆく人間。いろいろな異文化が響きあって知性・感性・体性が高まってゆく人間。このような統合的人間学が、今日ほど重要な時代はかつてなかったといってよいでしょう。人間に関する諸科学の研究が急速に発展してきましたが、それは情報の氾濫と価値観が多様化して、どこに向かうべきか、混迷が深まっているからでしょう。人間とは何かが根源的な問いであり、すべての学問、学術研究は、結局は人間学に行き着くでしょう。

「自分自身にとって、そして日本人にとって、英語を学ぶ」ということはどんなことなのでしょうか。どのような考え方と進め方で英語教育にあたってゆけば、人間学的により意味が深まっていくのでしょうか。英語教育と自分・人間とを同時に見つめてゆきたい。健康で幸せな生き方につながる英語教育の探求の旅に、みなさんと共に旅立ちましょう!

英語教育を通じた人間教育とは?

第1章では、日本語と英語の文化的な違いを明確にし、教育とはどのような能力を人間に与え、また教育にはどのようなものがあるかを考え、英語教育を通じた人間教育とはどのようなものであるかを紐解きます。

国際理解教育=英語教育、とするための考え方がわかります

第2章では、国際理解教育と英語教育の違いを考えます。また、日本語と英語での表現の違いからくる誤解や文化的な言語の特徴を知り、異文化理解へとつなげます。英語を学ぶことは、アメリカやイギリスといった個々の国を知ることではありません。世界中で使われる“ことば”として学ぶことで、地球上のあらゆる国に範囲を広げて興味を持つことこそが異文化理解につながります。

英語教育が日常生活に与える影響を知ります

英語教育によって気づかされる“コミュニケーション”とは、英語特有のものではなく、社会生活を送る上で当たり前に身につけておかなければならないものです。
第3章では、それを踏まえた上で、ことばやコミュニケーションというものを、英語を学ぶことで再認識し、それが日本語による普段の生活にも活きてくるということを述べます。

英語を通じてユーモアの大切さを理解できます

第4章では、第1章から第3章までで英語教育と人間教育の関係と大切さを理解したことを踏まえて、楽しく英語を学び、人生を豊かに生きよう、ということを述べています。ユーモアとは何かを、英語のユーモア表現例を交えて理解し、コミュニケーションに生かすことを考えさせます。

目次

第1章 英語教育人間学への展望

1 「面白い」人生へのスタート

  1. 「一滴の大河」
  2. 「面白い」ということ

2 人間学と人間教育

  1. 人間学の基盤:科学・自然・人間のつながり
  2. 「人間コア能力」を育てる
  3. ホリスティック教育
  4. 人間教育的目的論
  5. 「天才」に学ぶ教育観

3 英語教育人間学の本質

  1. プラス発想法:‘Successful Performance Analysis’のすすめ
  2. 人間学的英語教育目標:文化・ことば・人間のつながりを生かす
  3. 英語から見た人間観
  4. 英語教育人間学の構造

第2章 国際理解教育と英語教育の接点

1 国際理解教育の理念

2 英語学習を通しての国際理解

3 英語教材に現われた人間像

4 文化とことば(英語)との関係

  1. ことばの本質を求めて
  2. 文化とは何か
  3. 言語・文化・行動の関係
  4. アイデンティティの構造
  5. 英語と文化の関係

5 「コミュニケーション」の本質的意義

  1. 「コミュニケーション」とは何か
  2. 異文化コミュニケーションの意義
  3. 日米コミュニケーション・スタイルの比較

6 異質性への対応

  1. 「違い」とは何か
  2. 「違い」の理解と許容

7 異文化理解に基づく国際人・地球人

  1. 「非日常」から始まる異文化理解
  2. 異文化に等距離を置く
  3. グローバル思考を持って
  4. 「日本人的地球人」観
  5. 地球市民の感性を養う

第3章 人間関係を深める英語教育

1 グローバル・リテラシーとしての英語学力

  1. 21世紀の新しい言語「グローバル・リテラシー」
  2. グローバル・リテラシーと英語学力の関係

2 コミュニケーションを基軸にした英語教育

  1. 「対話」能力を育てる
  2. 総合(ホリスティック)をキーワードとした英語教育
  3. 「総合的学習」と英語学習の関係
  4. 人間学的英語教育観
  5. コミュニケーション能力と基礎・基本の充実
    1 英語コミュニケーション能力の両立
    2 「こんなときどう言うか」の英語教育
    3 基本的学力とコミュニケーション能力の両立
  6. コミュニカティブ・ライティング能力の育成

3 ことばを学ぶということ -発想・ことば・人生のつながり

4 人間関係づくりとしての英語教育

第4章 英語生涯「楽習」健康法

1 ユーモア精神・科学的精神・英語的発想 -全部同じ「健康的思考」

2 生涯「楽習」健康法 -「楽しく学べば健康になる!」

  1. 4つのCH
  2. 記憶力は年齢と共に増す!
  3. クエスチョン・マーク(?)を感嘆符(!)に変える -知的好奇心が健康を創る
    1 感動的体験が人を育てる
    2 心にクエスチョン・マークを!
    3 学び方を学ぶ
  4. コミュニケーション能力と健康力

3 人間学的英語学習法 -英語学習健康法

  1. 日本語の文化的比較に基づいて
    1 日本語を大切に
    2 自己表現の文化比較
  2. ユーモア精神で英語学習
    1 ユーモアとは?
    2 英語のユーモア感
    3 英語のユーモア表現例
  3. 新しい「語楽」を求めて
    1 「語学」は「語楽」
    2 「語楽」としての「落語」
    3 「落語」から「パンチライン楽習」へ
    4 「話術」から「話芸・話道」へ

仕様

編著 松畑熙一
判型 A5
ページ数 216
価格 本体2,000円(税抜)
定価2,200円(税込)
ISBN 9784304012075

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