ホーム中学校美術教科書(平成24~27年度用)新しい開隆堂の教科書の特色Q&A 中学校美術編

中学校美術教科書(平成24~27年度用)新しい開隆堂の教科書の特色Q&A 中学校美術編

Q1

なぜ題材配列を学習指導要領分野別にしたの?

A1

各題材における学習課題を読みやすくするためです。

 教科書は「検定教科書」である以上、学習指導要領に示された「目標」「各学年の目標及び内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」をふまえなければなりません。学習指導要領では、「2内容」は「A表現」と「B鑑賞」に大きく分かれ、さらに「A表現」の中では「(1)絵や彫刻など」と「(2)デザインや工芸など」に分かれて、その分野・領域が示されています。
 したがって、教科書の各題材は、学習指導要領で示されているどの分野・内容なのかを明確に示す必要があります。そのために、目次には題材名とページ番号に加えて、学習指導要領に示された分野・内容を「絵画・彫刻の分野」「デザイン・工芸の分野」と色分けで示すとともに、各題材ページにも分野・内容に対応した色帯で示しました。
 もしも分野枠をはずして紙面に絵画・彫刻・デザイン・工芸などを同居させると、各題材における学習課題が拡散し、準備すべき材料・用具も多種多様になり、指導者・生徒ともに各題材の学習課題が読み取りにくくなってしまうのではないか、という考えからです。

Q2

今までは教科書よりも資料集で授業することが多かったけど、教科書の活用方法があったら教えてください。

A2

美術の教科としての大きな学びや系統性を示していくことが一番大切です。

 個別の制作技法などでは資料集を利用する場合が多いのでしょうが、教科書の活用とし ては、題材名やリード文、学習の4観点や学習の振り返りなどを利用しながら美術の教科としての大きな学びや系統性を示していくことが一番大切と考えています。
 今回の新教科書では、これまでのように題材を2ページでトピックのように次々と提示するのではなく、多くの授業で実践されている表現題材を掘り下げ、各領域別に4ページ展開としました。その構成は実際の授業の流れに従って鑑賞作品の提示から入り、次に作品として結実するまでの学びのプロセスを丁寧に小見出しをつけて示し、制作を通して美術でどのようなことを学ぶのか、そのポイントが分かるように示してあります。
 さらに2・3年では、表現題材4ページと、その鑑賞題材2~4ページを連結して設けました。これによって限られた時間数でも授業内で表現と鑑賞を一体化して学べるようになっています。つまり授業で取り組む表現や鑑賞の活動は、決してトピックの連続ではなく、美術の大きな学びのなかの一つであることを示したり、自分達の表現と作家作品の鑑賞とが深く結びついていることを示したりできるようにしてあります。また、題材ごとに学習の4観点や、授業の振り返りが掲載されているので、教科としての学習のねらいもきちんと押さえることができます。
 制作の時間は貴重です。その貴重な時間が美術の伝統的な流れの中にきちんと位置付けられているものであったり、生きる限り続いていくものであったりすることを中学生達に伝えるために、教科書を是非活用していただきたいのです。

Q3

教科専門の先生には、教科書としてどのように対応しているの?

A3

長年の経験・実績を生かせる題材を掲載しています。

 教科専門の先生は長年の経験によりさまざまな題材に取り組んできた実績があると思います。また中学校に入学してくる子ども達の変化もよくご存知です。今回の教科書では、当社が小学校「図画工作」教科書を長年発行してきた経験から見た児童の発達の段階を考慮し、中学校「美術」としてこれまで以上にさまざまな材料を取り上げるとともに、さまざまな表現技法を多様に取り上げています。
 例えば、1年p.18~21の「彫刻動物園」では針金でつくった心材に新聞紙を巻きつけて動物をつくる内容、1年p.30・31の「変化させる絵」では段ボール箱を使ったピンホールカメラの製作、2・3年p.16~19の「自分探しの旅」ではさまざまな素材を使った立体による自画像の製作、2・3年p.24~27の「驚きの世界へ」では立体的なトリックアートへの挑戦、2・3年p.28~31の「伝統の美に学ぶ」では掛軸や屏風、扇子などへの描画など、小学校「図画工作」での経験を生かしていけるような題材を掲載してあります。小学校図画工作での学びを受け止め、中学校美術としての力をつけていってくださるよう、ぜひご実践をお願いしたいと思います。
 また、上記のQ2で触れたように、今回の新教科書では、これまでの2ページ展開ではなく、4ページ題材とすることで各題材をより掘り下げて展開していますので、題材研究の資料としてご活用をお願いいたします。

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