小林先生:連載の締めくくりは、材料と場の循環がテーマです。使い捨てではない、次へつながる図工室のあり方について伺います。
髙橋先生:材料は一度の使用で終わらせないことを大切にしています。造形遊びのあと、ビニル袋やお花紙は集めて再利用。 片付けのために子どもに袋を渡すと、自然に好きな色を集め始めて、気づけばクッションになって持ち帰ることもあります。
髙橋先生:材料は一度の使用で終わらせないことを大切にしています。造形遊びのあと、ビニル袋やお花紙は集めて再利用。 片付けのために子どもに袋を渡すと、自然に好きな色を集め始めて、気づけばクッションになって持ち帰ることもあります。
ズビたん:材料への感謝はどう教えているの?
髙橋先生:活動の最後に材料と場所へ「ありがとう」と言ってから片付けようねという話をしています。
生徒指導の側面だけではなく、“ゴミ化”させない視点を育てるためです。
価値が消えないから、次の授業で「また使おう」と自然に発想が続く。これは循環の心のスイッチですね。
小林先生:行動の前に意味づけがあると、行動の質そのものが変わりますね。
小林先生:行動の前に意味づけがあると、行動の質そのものが変わりますね。
ズビたん:ストックが増えすぎる問題、どう解決してる?
髙橋先生:
小物は封筒、大物は段ボールでざっくり管理し、学年・題材の札で可視化します。
必要以上に残さないように「残す/手放す」の棚卸しも定期的に。
ズビたん:材料はたくさんの種類があったほうがいいのかな?
小林先生:確かにここまでの話だとたくさんの種類の材料がないと授業が成立しないように誤解されちゃうかもしれない。限られた材料の中でも工夫次第でできることってありますか?
髙橋先生:低学年では油粘土を使うことが多いですが、「一・二年生で終わり」というイメージを持たれがちですよね。
でも、油粘土は実は発展性がとても高い材料なんです。
お団子やお店屋さんごっこから、建物のような立体的な作品まで幅広く表現できますし、準備もそれほど手間がかかりません。
乾かないので、時間をおいてまたつくり直せるのも油粘土の魅力です。
例えば高学年になっても、「一日美術館」と題して本気で作品を作り、飾って鑑賞してからまた元に戻す――そんな活動もできます。
大人は「低学年で終わる材料」と思い込みがちですが、提案の仕方ひとつでどの学年でも新しい学びになると思います。
小林先生:今ある素材でも、どう広げるかを考えることで、図工の世界はどんどん豊かになりますね。
小林先生:今ある素材でも、どう広げるかを考えることで、図工の世界はどんどん豊かになりますね。
ズビたん:この人形は何?
髙橋先生:前任校で、子どもたちと一緒にふしぎな生き物をつくったことがあるんです。
普通の工作ではなく、子どもたちが休み時間に集まってきて、自然に一緒につくり上げていったものでした。
だいぶ古くなりましたが、その時間の空気が全部詰まっています。
今もその作品が図工室にいて、新しい子どもたちが触ったり声をかけたりしています。
小林先生:作品そのものが、世代を超えて場と子どもをつなげているんですね。まさに“循環”の象徴です。
髙橋先生:はい。子どもがいなくなっても、作品が場に残っている。
その存在がまた新しい子を呼び寄せてくれる——そうやって図工室は生き続けているんだと思います。
小林先生:作品そのものが、世代を超えて場と子どもをつなげているんですね。まさに“循環”の象徴です。
材料は“使い切る”ではなく“使い回す”。
「ありがとう」で価値を保ち、子どもと場を更新し続ける。循環する図工室は、学びの熱を冷まさない。
「ありがとう」で価値を保ち、子どもと場を更新し続ける。循環する図工室は、学びの熱を冷まさない。