「ズビたんの この人に会いたい ずこうのおはなし」は、図工が大好きなズビたんと、
開隆堂小学校図工教科書の著者小林貴史先生(東京造形大学)が全国の先生を訪ね、
実践から図工の学びを深掘りする全4回の短期集中連載です。初回は
髙橋史樹先生(練馬区立石神井東小学校)の学校を訪問し、「材料と子どものかかわり」をテーマに、子どもの発想をどうひらくのかを語り合います。
小林先生:今回お話しするテーマが「材料と子どものかかわり」ってことですが、子どもたちが図工室で「材料」と出会うとき、髙橋先生が大事にしていることは何ですか?
髙橋先生:子どもがいつでも触ることができる場所に並べておくことです。材料は大人から「与えるもの」ではなく、子どもたちが“出会うもの”だと思っています。 あそこにスズランテープを置いているのですが、ちょうどクーラーの風が当たってひらひらするんです。そうすると、 子どもは自然と近づき、まず触ります。頭で考える前に自然と手が動く状態をつくることが、ひらめきの最初の一歩です。
図工室の一番前に置かれたスズランテープ
小林先生:そういった子どもたちの自然な行動が感覚のアンテナになり、
表現の広がりにつながるわけですね。材料の材質感の違いで意欲は変わりますか?
髙橋先生:変わります。自分にぴったりの材料に出会った子は発想がどんどん広がります。 合わないと感じれば「他にないかな?」と自分で切り替えていく。材料を選ぶ余白の時間を用意することが大事かなって思ってます。
髙橋先生:子どもがいつでも触ることができる場所に並べておくことです。材料は大人から「与えるもの」ではなく、子どもたちが“出会うもの”だと思っています。 あそこにスズランテープを置いているのですが、ちょうどクーラーの風が当たってひらひらするんです。そうすると、 子どもは自然と近づき、まず触ります。頭で考える前に自然と手が動く状態をつくることが、ひらめきの最初の一歩です。
髙橋先生:変わります。自分にぴったりの材料に出会った子は発想がどんどん広がります。 合わないと感じれば「他にないかな?」と自分で切り替えていく。材料を選ぶ余白の時間を用意することが大事かなって思ってます。
ズビたん:材料の置き方で工夫していることってある?
髙橋先生:例えば共同絵の具は教室の中央に置いています。
前方に置くと近い子ばかりが使ってしまうので、中央にすることで全員が公平に動けるようになります。
「どこに置くか」も授業設計の一部なんです。
小林先生:環境そのものが、学びを支える仕掛けになっていますね。
小林先生:環境そのものが、学びを支える仕掛けになっていますね。
髙橋先生:材料の置き方に関しては細かく分けすぎないのが自分なりのコツです。きっちり「自然物/人工の材料/線のような材料」などに分けるのも一つの方法だと思いますが、
私は材料を探しに行く途中で別の材料も視界に入るようにしています。子どもの目はセンサーのようで、偶然見つけた材料からひらめいて作品をつくっていた子もいました。
大人の想像を超える使い方が現れた瞬間は成功したなと感じます!
小林先生:主材料で行き詰まっても、周辺を「うろうろ」しているうちに発想が広がることもある。 図工室が偶然の出会いを仕掛ける場になっているのが印象的です。
小林先生:主材料で行き詰まっても、周辺を「うろうろ」しているうちに発想が広がることもある。 図工室が偶然の出会いを仕掛ける場になっているのが印象的です。
ズビたん:木の枝がたくさんあるね。どうやって集めているの?
髙橋先生:近所の農家さんが剪定した枝を「捨てるけど何かに使う?」と声をかけてくれたので譲ってもらいました。
4年生の教科書に枝を使う題材があるのでストックしています。
広葉樹は針葉樹に比べて枝ぶりが多様で活動が生まれやすいです。
ズビたん:材料との出会いって、どんな学びにつながるの?
髙橋先生:図工は体で確かめる教科です。タブレットなどで“知った気”になれたとしても、
手で触れて、重さ・固さ・においを確かめる経験には置き換えられません。だからこそ、
自分はこれが心地よい/これは苦手という経験を得ることができます。
その経験が次の挑戦を呼び、創造する力や自分らしさへとつながっていくのだと思います。
小林先生:材料そのものが学びの入口になる——今日の対話で、その輪郭が見えてきた気がします。
小林先生:材料そのものが学びの入口になる——今日の対話で、その輪郭が見えてきた気がします。
材料は先生が「与えるもの」ではなく子どもたちが「出会うもの」。
材料の置き方、見せ方、選ぶ際の寄り道が、子どもの手を動かし、発想を広げる。
材料の置き方、見せ方、選ぶ際の寄り道が、子どもの手を動かし、発想を広げる。