かてぽんの家庭科先生!教えてください 第3回 現場の先生方へのメッセージ

家庭科の専門家にかてぽんがインタビューする「かてぽんの"家庭科先生!教えてください"」シリーズ。開隆堂の小学校家庭科教科書の代表著者である横浜国立大学の堀内かおる先生と、中学校家庭分野教科書の代表著者である金沢大学の綿引伴子先生にインタビューした内容を、全5回にわけてお送りします。
第3回は、「現場の先生方へのメッセージ」です。

綿引先生・かてぽん・堀内先生の対談イラスト
かてぽん

かてぽん:こんにちは!家庭科大好き「かてぽん」です。前回は、先生の教科書の推しページについてお話いただき、ありがとうございました。今回は、現場の先生方へのメッセージをいただきたいです!

背景

中学校の先生方へのメッセージ

かてぽん

かてぽん:まずは綿引先生、お願いします!この教科書をどのように活用してほしいですか?

綿引先生

綿引先生:そうですね。教科書の使い方は先生それぞれのスタイルで良いと思いますが、私からいくつか提案をさせていただきます。
まず、家庭科は「生活」を対象としているので、学習内容が相互に関連しています。教科書は構成上、分野ごとにまとまっていますが、授業にあたっては「内容の関連付け」を意識していただけたらと思います。

かてぽん

かてぽん:関連付け…なるほど。分野ごとにわかれている学習内容をお互い結びつけて考えていくということですね!

綿引先生

綿引先生:はい。開隆堂の教科書では、関連ページを矢印で示しています。
例えば「消費生活・環境」って、中学生には少し抽象的だったり、生徒の現在の生活との接点が少なかったりして自分ごとになりにくい分野だと聞きます。でも、そこを「食生活」や「衣生活」と関連させて教えることで、生活との関わりが見えてくると思います。

中学校教科書124ページと269ページの相互参照 中学校教科書271ページと202ページの相互参照
かてぽん

かてぽん:学びがつながることで新しい気づきもありそうです!

綿引先生

綿引先生:それからもう一つ。教科書を「窓」にして、社会とのつながりや社会的視点を見せてほしいと思っています。教科書紙面の都合上、多くは載せられませんが、防災のスフィア基準やプラスチック汚染など、社会的な視点を散りばめています。各分野の最後にある「持続可能な社会に向けて」のページも、国際的な視点をもつきっかけとして活用していただきたいですね。

中学校教科書308ページ
中学校教科書 308ページ
中学校教科書309ページ
中学校教科書 309ページ
中学校教科書253ページ
中学校教科書 253ページ
かてぽん

かてぽん:教科書は、社会を知るきっかけにもなるんですね!
(あっ!中学校の教科書83ページには「男女別生活時間の国際比較」が載っていて、日本と世界を比べて考えられるようになってる。他にもいろいろ載ってそうだ…!)

綿引先生

綿引先生:最後に、ちょっと意外な活用法かもしれませんが…。
注意深く検討しながらつくってはいますが、教科書に書いてあることが全て正しいわけではありませんし、教科書は一面的な考え方を示していることもあります。もし先生が見て「これっておかしくない?」と思ったら、それをそのまま生徒に投げかけてみてください。

かてぽん

かてぽん:ええっ!その考えはなかったです!

綿引先生

綿引先生:「本当にそうかな?」と疑ってみたり、違う見方で考えたりすることは、批判的思考力を育むことにもつながると思います。先生の考えと違う部分があれば、ぜひそれを問いに変えて、授業をつくってみてください。

かてぽん

かてぽん:教科書をあえて問い直す…豊かな授業になりそうですね!勉強になります。

背景

小学校の先生方へのメッセージ

かてぽん

かてぽん:では続いて、堀内先生、現場の先生方へのメッセージをお願いします。

堀内先生

堀内先生:はい。第1回でもお話ししましたが、教科書はあくまで「教材」です。もちろん、私たちが編集する際には、この流れで学べば子どもたちが実践的に、わかりやすく学習していけるのではないかということを考えてつくっています。ですので、この教科書に則って授業をしていただければ、自然と気づいたり、考えて実践できる、そういった授業になっていくと思います。

小学校教科書6・7ページ
小学校教科書 6・7ページ
かてぽん

かてぽん:いろいろなことを考えて教科書はつくられているんですね…!先生方からするととても心強いですね。

堀内先生

堀内先生:ただ、やはり大事なのは、先生ご自身が「今日の授業で、この子たちにどんな力をつけたいのか」という目的をもって授業に臨むことです。「教科書にあるからその通りにやる」「今日は○ページだから開いて」というだけでは、何のための授業なのかが子どもたちに伝わりにくいと思います。

かてぽん

かてぽん:何のための授業なのか理解できていないと、子どもたちが自分のこととして考えづらいですよね。

堀内先生

堀内先生:そうなんです。授業の前後で、子どもたちの何が変わることを期待するのか。それを先生が意識していないと、当然子どもたちに「自分ごと」として伝わりません。

小学校教科書3ページ
小学校教科書 3ページ
かてぽん

かてぽん:先生ご自身が「この授業で何を伝えたいか」という目的をしっかりもっていることが大切なんですね。

堀内先生

堀内先生:その通りです。「今日は自分のためになることを学ぶんだ!」と子どもたちが実感できるように「今日は何を何のために授業で取り入れるんだよ」っていうことを子どもたちに伝わるようにする。それは先生が目的をどれだけ理解しているかが大前提です。先生方にはそのことを忘れず授業に取り組んでいただきたいなと思います。

小学校教科書1・2ページ
小学校教科書 1・2ページ
かてぽん

かてぽん:綿引先生、堀内先生、ありがとうございました!先生方の思いを受け取って、もっと家庭科を楽しみたくなりました!

(つづきは次回)

➡次回(第4回)のテーマは、堀内・綿引両先生が考える「これからの家庭科について」です。