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小学校家庭教科書(平成23~26年度用)新教科書Q&A

Q1

新学習指導要領ではストーリー性を重視していますが、教科書ではどのように扱っていますか?

A1

新教科書では、学年ごとに大きなテーマを設け、そのテーマに沿って各題材を構成・配列し、題材をつなぐストーリーをもたせました。本教科書の従来の考え方は継承しています。

Q2

5学年の導入題材で生活をみつめたすぐ後に、「家庭の仕事」を扱わないのはなぜですか?

A2

ガイダンス内容の一環でもある導入題材の「見つめてみよう わたしと家族の生活」では、家族の1日の生活に目を向けます。次に、5年生になって初めて学ぶ家庭科に対する児童の期待やわくわく感に応えるため、まずは簡単な衣・食・住に関する実習等(p.6~25)を行い、その体験を通して「家庭の仕事」についての認識を深め(p.26~28)、長期休暇を利用してより確かな家庭実践につなげられる構成にしました。 これにより、誰かにしてもらっていた家庭の仕事を自分でやってみようという意欲が高まり、高まったモチベーションのまま夏休みの家庭実践に入ることができます。

Q3

湯をわかしてお茶を入れる題材が、5学年の最後に配列されたのはなぜですか?

A3

調理実習の基礎と基本、ガスこんろの安全な扱い方を学ぶために、まず湯をわかしてみます。この湯をどのように活用するかは限定しないで簡単にし(ティーバッグを使うなど)、早く調理実習に入れるようにしました。子どもたちのわくわく感に応えます。 お茶は、日本の伝統文化と結びつけたり、家族とのふれ合いや団らんの学習に結びつけたりすることができますので、5学年の最終題材(p.58~59「家族とほっとタイム」)として、ていねいに扱うことにしたものです。

Q4

5学年の最初から調理実習が続きますが、負担が重くないですか?(1学期の調理実習:湯をわかす→卵をゆでる→青菜をゆでる→ゆで野菜サラダをつくる)

A4

小学校では、「ゆでる」調理と「いためる」調理を学習します。「ゆでる」調理を着実に習得できるようにするために、スモールステップの実習を繰り返し行うことで、ガスこんろの安全な使い方や、水とたまご、野菜の扱い方、調理用具の使い方、環境を考えた調理などを確実に身につけられるように配慮しました。 安全面からも「ゆでる」調理実習を繰り返し行って定着を図ると効果的です。後になって忘れた頃に扱うよりも、1学期の興味・関心の高い時期に続けて扱う方が、基礎・基本の定着が図れるからです。さらに、先生方の負担が少ないように、安全と基礎・基本的な技能および手順については、ていねいに記述しています。

Q5

「青菜」を色よくゆでるには、ふっとうした湯に塩を入れるとよいといわれていましたが、教科書で塩を用いないのはなぜですか?

A5

青菜を色よくゆでるために「塩を入れるとよい」と、教わった方も多いことでしょう。しかし科学的に捉えると、色よくゆで上がるのは湯の2%の塩を加えたときです。学校の調理実習や家庭の食事に用いる分量では差がありません。 また、2%の塩を加えると、青菜に塩味がつきます。そのため、教科書では塩を用いません。ただし、業務用として大量にゆでるときは塩を加えることが多いようです。

Q6

技能チェック表「できたかな」や「ひと口メモ」の使い方は?

A6

「できたかな」は、学習のステップごとに児童自ら学習成果を確かめるために(自己評価)、また先生は個々の技能の到達度合いを知るめやすとして活用できます。実習後にチェックを重ねることで、基礎・基本が確実に定着することを意図しています。 [ひと口メモ]は、本文中の※印を付した用語の説明や、ひと口知識として児童の興味・関心を惹きつけ、学習を発展させるのにも活用できます。

Q7

新学習指導要領で新しく入った五大栄養素の内容は、どのように取り扱いましたか?

A7

学年の題材「元気な毎日と食べ物」(p.38~45)の中で、ごはん・みそしるの学習と関連づけ、五大栄養素の名称(炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミン)や体内での主なはたらきを生きた知識として理解できるようにしています。 たとえば、ごはん・みそしるを組み合わせた食事の例などをもとにし、使われている食品を3つのグループに分類して書き込めるようにしています(p.40)。

Q8

ごはんとみそしるの学習を、5年生で扱うとよい理由は?

A8

食育の充実が推進されていることや、ごはんとみそしるを日本の伝統食として扱うことになっているため、食事の基本として早い時期に学習できるようにしていますが、そうすることによって、1食分の食事づくりや、家庭での食事づくりの実践に生かすことができます。また、他教科と関連させて学習ができ(理科5年の植物の発芽「イネとでんぷん」、社会5年の食料生産「米の生産」等、さらに総合的な学習の時間「学校園での稲刈り」等)、相互の学びが深まって効果的です。

Q9

「寒い季節を快適に」と「暑い季節を快適に」が、2学年に分けて設定されているのはなぜですか?また、「寒い季節~」では着方が先に構成されているのに、「暑い季節~」では、住まい方が先になっているのはなぜですか?

A9

人間を取り巻く環境としての「衣」と「住」ですので、子どもたちが一番実感できる時期に設定することが効果的です。 2学年に分けたのは、<快適な衣服と住い>の内容を、学習する時期や季節にふさわしい題材構成にし、かつ学習を積み重ねることで定着を図るためです。 寒さから身を防ぐことを考える場合は、まず暖かい着方を考えてから暖かい住まい方を考えるのが自然です。一方、「暑い季節を快適に」では、天候との関係で洗たくの実習を7月に扱えるようにするため、住まい方を先にしました。 「寒い季節を~」では、(1)省エネ(環境)とも関連づけて、まず重ね着の工夫(衣の環境)、(2)次に暖房を用いた工夫を考える流れにしています。「暑い季節~」では、涼しくするために、(1)窓を開けたり、打ち水をしたり、自然の力を利用したりするなどの外的環境を工夫、(2)次に涼しい着方の工夫や着方を学んだ後に、着用後の汗で汚れた衣服を洗たくする、というように、時間軸を意識した流れとしました。

Q10

「チャレンジコーナー」が充実していますが、どのように活用すればよいのですか?

A10

家庭科で「学んだことを家庭実践につなげる」ために、長期休暇中の家庭実践のヒントとして、また応用題材のひとつとして活用されることを意図しています。そのため、学習指導要領で重視されている家庭実践にスムーズに移行できるように、ページを増やしてアイデアを多数紹介しました。地域性についても重視し、地域題材への発展をしやすくしています。

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