PROFILE

佐々木達行
(ささき・たつゆき)

筑波大学附属小学校教諭、千葉大学教育学部教授を歴任。2013年に千葉大学を定年退官し、現在、八洲学園大学特任教授。
30年以上にわたり開隆堂図画工作教科書編修に携わる。

図画工作で生きる力を養うことで、
自己を肯定できる人間に育っていく。

「物事に主体的にかかわっていく力が育つ」

小学生が図画工作を学ぶ理由について、佐々木先生はどのようにお考えですか。

図画工作の授業は、かいたりつくったりすることを通して人間を育てることを目的としています。将来、画家や大工になるための知識や技術を身につける場ではないことを、まず念頭に置いていただきたいと思います。子どもが自分の頭で考えたことをどのように表現していくか。表現に至るまでにはさまざまな課題が出てきますが、それらを解決しながら学習を進めていくことによって、物事に主体的にかかわる力、あるいはかかわろうとする力が育っていくと考えています。

「論理的・客観的に授業が展開できる」

専門外の担任の先生や、経験の浅い先生にとって使いやすい仕組みはありますか。

開隆堂の教科書は、子どもが学びやすい教科書であることはもちろん、新卒の先生や図画工作が専門ではない先生に対しても配慮をしており、すべての先生が使いやすい教科書を目指しています。一般的に絵を描いたりものをつくったりすることは、個人の感覚に左右される部分が多くあります。もし、先生が絵や工作が苦手だった場合、授業を進めていくのは大きなストレスになるでしょう。本書はそんなストレスから解放するために、極めて論理的・客観的に授業を行えるような紙面構成にしています。情報や資料がしっかりと整理整頓されているので、どんな先生でも完成度の高い授業が実践できると自負しています。

「自立心と自尊心を養うには最適な教科」

本書を使用した子どもたちがどのように成長していくことを望んでいますか。

子どもたちに“生きる力”を培ってもらいたいと思います。現代の子どもたちは「自己肯定感」が失われていると言われています。図画工作という教科は、自己肯定感を育てるという意味で実に最適であると私は考えています。自分は何を表現したいのか、完成のためには何が必要なのかといったことを、授業を通して考えることによって自立心や自尊心を養っていく。これが将来的に生きる力へとつながっていくはずです。

「図画工作」

開隆堂の図画工作教科書は「一人一人の児童の心を開き、自発的に課題をつかみ、児童自らが創造活動を楽しむような心を育てる教科書」です。楽しい活動を通して豊かな心と確かな学力を育てます。児童が身につけた学びを生かして、社会へとつながっていくよう願いを込めてつくりました。

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