開隆堂技術編集部です!小豆島の漁師YouTuber「はまゆう」こと、濱田祐輔さんへのインタビュー。前編に続き、今回はYoutuberとしての顔に迫る後編をお届けします。

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濱田 祐輔(はまだ ゆうすけ)さん

香川県・小豆島生まれの小豆島育ち。現役漁師でありながら、「小豆島の漁師 はまゆう」として、漁のようすや漁師のくらしをYoutubeで発信。登録者数は86.5万人(2026年7月10日時点)。漁師の仕事の風景や豪快な漁師飯、漁師の休日シリーズが人気を博している。

――Youtuberとしての活動のきっかけはあったのでしょうか?

20歳になる前くらいかな。「社長になりたい」みたいに、自分で何かをしたいと思う時期があったんです。それで神戸で営業の仕事をしてみたり、投資をやってみたりしたんですけど、うまくいかなくて3ヶ月くらいニートの時期もありました。そんなときに、たまたま梧桐ゆずりはさんの動画を見つけて、直接話を聞きに行ったんです。そこで動画の撮影のしかたとか、親切に教えていただいて、お金がないながらもパソコンとかゴープロを揃えてはじめたのが、「小豆島の漁師 はまゆう」なんです。

80cm越えで6キロの巨大なヒラメが獲れたので1週間放置してみた。(「小豆島の漁師 はまゆう」より)

――動画配信をはじめた頃は、「これをやりたい」みたいな目的は決めていたのでしょうか?

正直、漁師を知ってもらいたいとか、漁業を盛り上げたいみたいな気持ちはありませんでしたね。ただ父親から独立して、自分で「何かをやってみたい」という気持ちがあって、その手段として選んだのが、漁師系Youtuberだったんです。

最初は撮影に5時間、編集に7~9時間くらいかけても、登録者は友だちとか数人程度でしたし、収入は1円にもなりませんでした(笑)意義を感じるようになったのは、僕が動画の中で紹介した魚が売れましたとか、息子が魚のさばきに挑戦しましたみたいなコメントをいただくようになってからですね。

――企画はすべてご自身で考えているとのことですが?

もちろん、人にゆだねたことはありません。僕の動画は、僕の漁を知っていないとつくれないですね。企画を考えるときは、何がウケるか、何がおもしろいか、何が伸びるかみたいな経験と、天然で獲れている魚は何かみたいな自然環境の情報を照らし合わせるんですけど、なかなか思い通りにいかないことも多くて、臨機応変な立ち回りが必要になってくるんです。そうすると、自分の漁に合わせたものでないと、うまく実現できないんですよね。

――改めて動画の再生回数の多さを見てみると、「誰かに向けて」といった、ターゲットは考えていましたか?

全然意識していませんでしたよ。その代わり、最初から「ブレない」ことを大事にしています。漁師っていうコンテンツでイメージするものを考えたときに浮かんだのが、「漁」「漁師飯」「酒」だったんですよね。たぶん、この時点でターゲット層みたいなものは自然に決まったのかなと思います。今では視聴者の9割以上が男性で、65歳以上の方も多いですし、女性の視聴者は最初から少なかったですね。

――料理の腕前も素晴らしいと思いましたが、どうやって身につけたのでしょうか?

料理の知識はあまりなくて、魚をおろすのも得意ではなかったですよ。いろんな所でさばく練習してみたり、クックパッドで調べたりしたので、Youtubeとともに身につけた技術って感じですね。

でも、やっぱり漁に特化した動画の方が再生回数も多いので、そっちに力を入れるようにしています。料理動画だと30分でできることが2時間かかるので、漁の動画の尺を伸ばして、料理動画の尺を短くするなんてことも考えながらやっています。

漁師が本気で作るおせちがヤバすぎた。。(「小豆島の漁師 はまゆう」より)

――そうすると、動画の構成や尺決めはだいぶ意識されているのでしょうか?

結構、肌感覚でやっていることが多いんですよ。漁の動画を2時間撮影しても、おもしろくない部分を削ったら10分しか残らないってなったときに、料理動画を入れてみたりして、とにかく無駄を省いて、飽きさせないようにすることが大事だと思っています。動画の中で、あえておもしろ要素を入れているのもその一つで、起承転結の中で同じ音程になりすぎないようにしているんです。

カキを食べる動画の撮影場面

――最後に、授業の中で子どもたちに漁業や水産生物の栽培に興味を持ってもらうためにアドバイスをいただきたいです。

僕からしっかりしたことはお伝えできないかもしれませんが、「悪名は無名に勝る」じゃないですけど、まずは知ってもらうことが大切なのかなと思います。でも、そこから興味を持ってもらうには、やっぱりまじめな話よりも、おもしろい話がいいですよね。漁業とか水産関係だったら、海釣りに行くのでもいいですし、魚をさばいて料理してみるとか、僕のYoutubeを観てもらうとか(笑)まずは「楽しい」に沿って入り口を広げてみて、本当に伝えたいことは、後から伝えられたらいいんじゃないかなと思います。

はまゆうさんが大切にしている「ブレない」姿勢は、動画づくりだけでなく、漁師としての仕事にも通じているのかもしれません。前編とあわせて、ぜひ「小豆島の漁師 はまゆう」のYoutubeもチェックしてみてください!