開隆堂技術編集部です!生物育成の技術の授業では、なかなか「リアル」を伝えられない水産生物の栽培。今回は、圧倒的な人気を誇る漁師YouTuberの「はまゆう」こと、濱田祐輔さんにインタビューをさせていただきました!現役漁師としての姿、YouTuberとしての姿を前編・後編に分けてお届けします。
濱田 祐輔(はまだ ゆうすけ)さん
香川県・小豆島生まれの小豆島育ち。現役漁師でありながら、「小豆島の漁師 はまゆう」として、漁のようすや漁師のくらしをYoutubeで発信。登録者数は86.5万人(2026年7月10日時点)。漁師の仕事の風景や豪快な漁師飯、漁師の休日シリーズが人気を博している。
――漁師になると決めたきっかけを教えてください!
曾祖父の頃から続く漁師の家系だったので、物心がついたときには漁師になると決めていました。幼稚園や小学校の文集にも将来の夢に「漁師」と書いていましたし、それが当たり前のことだと思っていたんですよね。漁師になったのは16歳後半くらいからです。最初のうちは祖父の網漁を手伝ったり、海苔の養殖を手伝ったりして、海の魅力や厳しさを体感してきました。
――漁に出て、養殖もやってだと、一日が忙しそうですね!
漁師さんによって違うと思いますよ。僕は一人で漁も養殖もやっているので、パワーを振り分けないといけないですし、一日一日が同じスケジュールではないですけど、漁だけで忙しい方もいれば、ある程度同じスケジュールで過ごしている漁師さんもいます。
漁は獲る場所とか、網を入れる順番が漁師さんの間で決まっているんです。サワラ漁の現場だと、漁の準備をしてから夜中の2時半くらいに出航して、現場に着くのは4時。そこから2時間くらい待機するんですけど、その時間にご飯を食べたり、Youtubeの動画撮影とか編集したりしてますね。
――ふだんはどのような漁法を取り入れているのでしょうか?
規模によって建網漁とか刺し網漁とかいろいろありますよ。建網漁の場合だと、メバルやキジハタを獲るために磯周りに網をしかける磯建てというやり方があります。磯周りの魚は小さいので網の目合いも小さくなるんです。
網目が大きいものを使うのは、サワラとかマナガツオを獲るときですね。流し刺し網漁という漁法で、網に等間隔で浮きをつけてから海面に投げ入れて、潮の流れにまかせて獲る方法です。網のサイズは高さが30mで長さが1500mにもなりますよ。
――これまで獲れた中で珍しいと思った魚はいますか?
この10年くらいの間かな。イセエビが2回くらい獲れました。沖の方では、ツバクロエイとかイトマキエイ、カエルアンコウなんかが網にかかりましたし、最近ではシロアマダイも小豆島沖まで入ってきている感じがします。南側で獲れるような魚とか小豆島で獲れなかった魚が獲れるときは、温暖化の影響を感じることがあります。
――温暖化の影響を受けて、小豆島の海も変わっている印象はありますか?
場所によっては変わっていると思います。海草が集まった場所を藻場というんですけど、草が枯れたように茶色くなってますし、メバルにもいろんな種類がいるんですけど、見かけるのはオキソメバルとかガシラ(カサゴ)くらいかなと感じます。あとはメバル類よりもサイズが大きいキジハタ(アコウ)が増えたのも温暖化の影響なのかな。
僕たちが仕事場にしている海は決して広いわけではないんですけど、魚たちにとっては小さな社会があるんですよね。アコウが増えて、メバル類みたいな小さい魚が食べられてしまうと、他の魚の食べ物がなくなるし、藻場がなくなれば卵を産む場所もなくなる。そういう意味では環境の変化は大きいのかなと思います。
――そうした環境の変化に対応していることはありますか?
僕の場合はカキの養殖ですね。魚が獲れなくなって、不安定だからこそ養殖にチャレンジする人は増えていると思いますよ。小豆島でもこの3、4年で8件くらいまで増えました。天然の磯や海に対して、僕たちができることはかぎられているので、その海に順応していくしかないのかなと思います。
――はまゆうさんが養殖している「カキ男爵」は小ぶりな見た目ながら、身入りがしっかりしている印象がありますが、何か工夫されていることがあるのでしょうか?
僕がやっているのはシングルシード方式といって、カキを入れたかごをロープに吊るして育てています。この方式だと、波の力でカキがコロコロ転がされて、丸みを帯びていくんです。カキは殻が削れれば削れるほど厚みが増して、それに合わせて身入りも充実するようになるんです。
小豆島は川からの栄養も少なくて、カキカキしい香りといいますか、海の香りみたいなものがそこまで強くないんですよね。それなら食べやすくてフレッシュな味わいなカキを育てられたらいいなと思っています。
〜後編へ続く:後編を読む〜