こんにちは!開隆堂技術編集部です!
環境負荷は、特に作物の栽培と親和性が高い見方・考え方の視点の一つではないでしょうか。「自然にやさしい」栽培に少しでも近づけるために、おすすめするのが自作たい肥による栽培です。その参考例として、コーヒーかすたい肥のつくり方をご紹介します。
1.たい肥とは?
たい肥は、微生物のはたらきを利用して生ごみや落ち葉などを発酵・分解させた有機質資材です。作物の栽培では、肥料効果だけでなく、土壌の団粒構造の形成、施肥効果、微生物など生物性の改善など、栽培環境づくりに役立ちます。
肥料としての位置付けでは、農家の経験と五感で生産できるような「特殊肥料」に指定されています。一方、白い粒をした化成肥料などは「普通肥料」に指定されています。
技術・家庭 技術分野「テクノロジーに希望をのせて」(開隆堂出版)p119より
また、たい肥はコンポストともいいます。たい肥に含まれる牛糞や稲わらなどの有機物の分解や有害な細菌などを死滅させて発酵させる工程がコンポスト化です。農家や企業では、家畜の排せつ物や食物残さなどをコンポストにしてバイオガス発電などに生かす取り組みがあります。
2.コーヒーかすたい肥のつくり方
たい肥づくりは「なるべく余計なゴミを出したくない」という方におすすめです。学校や家庭で出た、コーヒーかすなどの身近な材料を使うため、化学合成された資材を使うよりも環境にやさしいという特徴があります。
基本的にはコーヒーかすに米ぬか、水を加えて混ぜるだけです。また、ヨーグルトや納豆を加えて、乳酸菌や納豆菌のはたらきを利用すると発酵がよく進みます。今回は以下の手順で実践してみました。
たい肥づくりの手順
- 図2のような資材を準備する
- コーヒーかす(300g)、米ぬか(100g)、乳酸菌飲料(70ml)、水(100ml)を混ぜる
- 割りばしなどで切り返す(2〜3日に1回)
- 3か月前後で完成(寒い時期、寒暖な地域ではもう少し時間がかかります)
※上記の配合量はあくまでも試験的な分量です。
発酵が進むと、図3のようにカビが発生し、温度もどんどん上がります。時々、割りばしなどで切り返すと効率的です。切り返しによって酸素を取り入れ、水分の蒸散を促進させると、通気性が高まり微生物のはたらきが活性化します。その結果、腐熟を進めやすくなります。
3.たい肥の活用
たい肥は土壌改良資材としての効果が高いため、土づくりの段階で使用することをおすすめします。肥料として使用したい場合は、春の暖かくなりはじめる時期に使うと、窒素の無機化が早まり作物が利用しやすくなります。
また、自分自身でたい肥を生産する場合、自分の畑や野菜だけの使用に留めましょう。人にあげたり、販売したりするためには都道府県知事への届け出が必要となります。
おわりに
今回は、環境の負荷を意識した、資源の再利用を目的としての実践でしたが、実際に自分でつくることから始めると、資材の節約にもつながります。ぜひ、試してみてください。