今こそ、ハザードマップを見直そう
「情報の技術」では、社会の中で情報技術がどのように活用されているかを捉えることが重要です。ハザードマップは、身近な社会の課題と情報技術を結びつけて考えられる教材の一つです。紙の地図がWeb化された背景には、測量・計算・分析・通信など、さまざまな情報技術が活用されています。家庭科の防災学習と組み合わせれば、技術・家庭を連携した学びにもつなげられます。さっそく、各サイトの裏側を見ていきましょう。
授業で使えるWebサイトと裏側の情報技術
1.国土交通省・国土地理院 ハザードマップポータルサイト「重ねるハザードマップ」
「重ねるハザードマップ」は、災害リスクや土地の特徴など、さまざまな情報を重ねて確認できるWeb地図です。
(同ポータルサイト内「わがまちハザードマップ」では、市町村が公開しているハザードマップを確認することができます。ぜひ確認しておきましょう。)
ハザードマップポータルサイト「重ねるハザードマップ」(地理院タイル使用)をもとに作成
(https://disaportal.gsi.go.jp/)(2026年9月2日に利用)
①【データの計測】 航空レーザ測量(LiDAR)
航空機からレーザーを照射し、その反射を利用して土地の標高や地形の形状を調べる技術です。「地形分類」を表示すると、昔の川の流路である「旧河道」などを確認できます。地形をデータとして捉えることが、防災・減災につながっていることを実感できる教材になります。
②【情報の表現】 ベクトルタイル
地図を画像として送るのではなく、道路や地形などの図形や属性をデータとして扱い、端末側で地図を描画する仕組みです。拡大・縮小しても、表示する縮尺に合わせて文字や線などを描画できます。「情報をどのような形で届け、画面に表示するか」という情報デザインや通信の視点から考えられます。
2.国土交通省「川の防災情報」
雨量や河川の水位などをリアルタイムで確認できるほか、洪水に関するさまざまな情報を確認できます。
(https://www.river.go.jp/)(2026年9月2日に利用)
【予測と処理】 数値シミュレーション
洪水浸水想定区域図などでは、想定最大規模の降雨を条件として、河川が氾濫した場合にどこまで水が広がるかをコンピュータで計算しています。実際の災害を待つのではなく、シミュレーションによって起こり得る状況を事前に予測することで、避難などの備えに役立てています。
3.気象庁「キキクル(危険度分布)」
「キキクル」は、災害発生の危険度を5段階の色で地図上に示し、リアルタイムで伝えるサイトです。
(https://www.jma.go.jp/bosai/)(2026年9月2日に利用)
【データの分析・判定】 指標の計算と自動判定
現在までに降った雨や今後の予測雨量から「土壌雨量指数」などを計算し、過去の災害発生状況をもとに設定した基準と照らし合わせて、危険度を自動的に判定します。「観測データを見る」だけでなく、データを計算・分析することで災害の危険度を判断していることに注目できます。
おわりに
デジタルハザードマップを「どうやって危険を予測し、伝えているのか?」という技術の視点から見ると、身近な防災情報が教材に変わります。技術科で情報技術の仕組みを捉え、家庭科で家族の避難や備えを考えるなど、教科を超えた学びにも広げてみてはいかがでしょうか。