こんにちは!開隆堂技術編集部です!
近年、全国各地で野生生物の市街地への出没が相次いでいます。ニュースを見て「怖い」「駆除すべきだ」「かわいそう」という感情だけで終わらせるのではなく、社会課題に対して「技術をどう活用すべきか」を生徒自身に考えさせるきっかけとして、授業に取り入れてみませんか?
なぜクマは街に現れるのか?
近年、クマの市街地での出没が相次ぎ、身近な地域での目撃情報に不安を覚える方も多いのではないでしょうか。クマの出没には多数の要因がありますが、個体数増加による生息域の拡大、里山の荒廃、そして「放置果樹や生ゴミ=楽な食べ物」という学習行動など、人とクマの生活圏が急接近していることが背景にあります。
授業で着目したいポイント
自然環境、人間の暮らし、生き物の生態が複雑に関係する、「単一の対策(駆除のみ・防護のみ)では解決できない社会課題」であることに気付かせたい題材です。
【技術科の視点】テクノロジーで挑むクマ対策
対策には、「生物育成」による環境整備と、「情報」による検知・自動防除などのアプローチがあります。
授業で着目したいポイント
AIやセンサは万能ではなく、誤判定や導入・維持コストの課題もあります。技術ごとの長所・短所(トレードオフ)を踏まえ、目的に応じて評価・選択する視点を育てます。
授業での展開アイデア①
【情報の技術】「クマ検知・警報システム」の構想とプログラミング
<課題設定>
「通学路や通学時間帯にクマが近づいたら、どう安全を確保するか?」
<生徒の活動>
- センサ(赤外線・カメラ)でクマを検知した際の、「光・音での撃退」や「スマホ・学校への自動通知」といった制御のフローを構想。
- ブロックプログラミング等を用いて、検知から出力(警告)までのアルゴリズムを試作・検証。
深めどころ
「夜間や悪天候時の動作はどうするか」「車や風で揺れる木々の誤検知をどう防ぐか」を考慮させることで、制御・プログラミングの工夫や信頼性の重要性を実感させます。
授業での展開アイデア②
【生物育成の技術】「クマを呼び寄せない地域づくり」のリノベーション計画
<課題設定>
「学校周辺や通学路で、クマを引き寄せているリスク箇所はどこか?」
<生徒の活動>
- 学校周辺フィールドワークを行い、茂み(隠れ場所)や放置果樹・ゴミ置き場(エサ場)をマッピング。
- クマの習性を踏まえ、「草刈り(緩衝帯整備)」「電気柵の配置」「果樹の早め収穫・剪定」を組み合わせた改善計画案を作成・発表。
深めどころ
生物の生息環境や農作物の育成管理と結びつけ、「動物の習性を逆手に取り、人間の生活圏に入らせない環境デザイン」を主体的に考えさせます。
おわりに
クマ問題を教材にすることは、複雑な社会課題に対して「どの技術をどう組み合わせるか」を主体的に評価・選択する力を養う絶好の機会です。また、自分事としてとらえることで、自らの安全を守る意識にもつながります。ぜひ授業づくりに活かしてみてください。