こんにちは!家庭科編集部です。このコラムでは、家庭科の先生方の日常や授業に役立つ情報を発信しています。今回は、「カップヌードルミュージアム 横浜」の見学レポートを2回にわけてお届けします。
前編は、「インスタントラーメンの歴史」です。
だれもが知っているインスタントラーメン、その歴史を知っていますか?
いまや世界中にあふれるインスタントラーメン。その開発から現在にいたるまでどのようなストーリーがあったのか。
今回、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売した日清食品の「カップヌードルミュージアム 横浜」に、かてぽんが行ってきました!
一人の発想が世界的な食文化を生み出した
インスタントラーメンの生みの親は、日清食品の創業者・安藤百福(あんどう ももふく[1910-2007])。大阪でさまざまな事業を手がけていた安藤は47歳のときに事業に失敗し全財産を失います。そこから何かしないと食べていけないと考えていたとき、戦後の闇市(終戦直後、正規ルート以外で食品や生活用品が売られていた非公式の市場)で一杯のラーメンを求めて長い行列をつくっていた人々の姿を思い出しました。
「もっと手軽にラーメンが食べられないものか」、そう思った安藤は、「お湯があれば家庭ですぐ食べられるラーメンを作ろう」と思い立ち、自宅の裏庭に小屋を建てて研究をはじめました。
麺作りについてまったくの素人だった安藤は、すべてが手探りで、寝る間も惜しみ研究に励みました。長期保存するにはどうやって麺を乾燥させればよいのか、また、お湯を注いですぐ食べられるようにするにはどうすればよいのか。この保存性と簡便性の実現こそが、インスタントラーメンの開発における最も高い壁でした。そんな日々が続いたある日、妻が天ぷらを揚げている様子をみてひらめきます。こうして生まれたのが、水分を含んだ麺を高温の油で一気に乾燥させる「瞬間油熱乾燥法」でした(詳細は「後編:インスタントラーメンに込められた技術を学ぶ」にて紹介します)。
この技術によって誕生した、お湯を注ぐだけで作ることができるラーメン「チキンラーメン」は大ヒット。またたく間に人気を集めました。
かてぽん:安藤さんの研究小屋には、はかりとか蒸し器とか、見たことあるものばっかりだったよ。
かてぽんも身近な道具から何かひらめいちゃうかも?
さらに手軽なインスタントラーメン「カップヌードル」の誕生
「チキンラーメン」を世界へ広めようとアメリカ視察へ向かった安藤はそこで新たな商品をひらめきます。スーパーの担当者に「チキンラーメン」を試食してもらおうとしたものの、アメリカにはどんぶりと箸でラーメンを食べる習慣がありません。すると彼らは近くにあった紙コップに麺を割り入れお湯を注いでフォークで食べはじめたのです。このアメリカ視察での経験が、世界初のカップ麺「カップヌードル」の発明に至る大きなヒントになりました。
しかし、ここで新たな壁が立ちはだかります。「カップヌードル」を工場で大量生産しようとした際、上から麺を入れようとするとうまくカップに収まらないのです。手作業でセットしていては生産が追いつきません。何か方法がないかと考えていた安藤は、ある晩、めまいが生じて視界がぐるりと上下反転したような錯覚に陥りました。その時、「カップに麺を入れるのではなく、伏せて置いた麺にカップをかぶせて反転させればいい」という「逆転の発想」をひらめきました。この工夫によって工場での大量生産が可能となり、「カップヌードル」は現在も世界中で愛されるロングセラー商品となりました。
かてぽん:「逆転の発想」を体験できる「マイカップヌードルファクトリー」に行ったよ!
麺にカップをかぶせてぐるぐる回すとピッタリ収まったんだ~
世界に1つだけの、かてぽんオリジナル「カップヌードル」をつくったよ~
安藤百福の発想・工夫を知る6つのキーワード
あふれる好奇心と、創造的思考で日常のあらゆる出来事からアイデアを汲み取り、大きな発明に繋げた安藤百福。そのクリエイティブな発想から、発明・発見のヒントを学び取ることができます。
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1.まだないものを見つける
▷世の中にはまだ無いが、「あったらいいな」というものを探す
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2.なんでもヒントにする
▷アイデアのヒントは身のまわりに転がっている
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3.アイデアを育てる
▷発明はひとりじめせずみんなに使ってもらう
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4.タテ・ヨコ・ナナメからみる
▷いろいろな視点を発見する
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5.常識にとらわれない
▷生活の中でアタリマエと思っていることを疑う
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6.諦めない
▷一度や二度の失敗にもくじけない
かてぽん:宇宙食ラーメンが宇宙に飛び立ったとき、安藤さんは何と95歳だったそう!
発明・発見に年齢は関係ないんだね。まさにNEVER GIVE UP!!
おわりに
今やスーパー、コンビニなど様々なところで当たり前にインスタントラーメンを目にしますが、その起点には、安藤百福さんの『クリエイティブな発想』と『最後まであきらめない執念』がありました。
次回後編は、実際にやってみた「瞬間油熱乾燥法」の体験レポートをお届けします。
「カップヌードルミュージアム 横浜」
ADDRESS:〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2-3-4
TEL:045-345-0918 (受付時間 10:00 〜 18:00 休館日を除く)
OPEN:10:00~18:00 (入館は17:00まで)
WEB:https://www.cupnoodles-museum.jp/
【小・中・高等学校の学校教育での利用について】
・来館希望日の1年前の同日10:00から予約可能。
・「マイカップヌードルファクトリー」「チキンラーメンファクトリー」の体験料無料。