かてぽんが行く!かていかさんぽ VOL.1 創業237年の蔵に学ぶ!「金笛しょうゆパーク」は授業のヒントが盛りだくさん!

こんにちは。家庭科編集部です。このコラムでは、家庭科の先生方の日常や授業に役立つ情報を発信しています。今回、かてぽんの訪問シリーズとして、しょうゆづくりの現場を訪ねてきました。

金笛しょうゆパークの看板とかてぽん

かてぽんがやってきたのは、埼玉県の中央に位置し、四方を川に囲まれた比企郡川島町。
この地域で寛政元年(1789年)からしょうゆづくりをされている笛木醤油株式会社が今回の訪問先です。
笛木醤油さんでは、創業230年記念として2019年秋に工場見学施設「金笛しょうゆパーク・金笛しょうゆ楽校」をオープンし、しょうゆづくりの見学を受け入れています。見学は当日の参加受付と、webからの参加予約が可能です(web情報は記事末尾)。

かてぽん、しょうゆ楽校へ入学

それではさっそく“金笛しょうゆ楽校”に入学。入学手続はとてもスムーズです。見学の開催時間5分前に広場に集合します。

金笛しょうゆ楽校の教科書(見学ハンドブック)
見学のハンドブックは教科書。情報満載!

今回の工場見学では、笛木醤油の12代目当主 笛木吉五郎こと、笛木正司(ふえき まさつぐ)さんが案内をしてくれました。

笛木さんにだっこしてもらうかてぽん
笛木さんにだっこしてもらうかてぽん
かてぽん

かてぽん:よろしくお願いします! それじゃ~、みんな笛木さんの後について出発~!

工場を案内する笛木さん

かてぽん、原料に触れる

「しょうゆは何からできているでしょう?」
工場見学は、しょうゆの材料の解説からはじまります。
「だいず!」「塩!」「そのほかには~?」参加者の元気な声が響きます。

昔から穀倉地帯で豊富に大豆や小麦がとれたこと、川の水運が使えたことからしょうゆづくりが広まったという歴史的な話を伺いながら、「小さい生き物にも働いてもらっているんです!」と見せてもらったのが「麹(こうじ)」です。
蒸した大豆と炒って砕いた小麦に麹菌を振りかけた麹の実物も見て、触れることができました。

麹菌を振ってから1日目と3日目の麹
麹菌を振ってから1日目と3日目の麹。3日目は麹菌が育ち、緑がかっている
かてぽん

かてぽん:自分とおんなじ緑色! 親近感わいちゃうな~。
麹菌さん、おいしいしょうゆのために小さい体で頑張っているんだね。しみじみ。

かてぽん、木桶に出会う

続いては、これら材料と食塩水を混ぜ合わせた「もろみ」を醗酵・熟成する「木桶」の見学です。この段階では、すっきりとしたしょうゆの香りというよりも、大豆の香り、みそに近い香りがしてきます。

大きな木桶と笛木さん
かてぽん

かてぽん:木でできているの? すっごくおおきい!

見学では木桶のもろみに空気を送る「櫂突き(かいつき)」の体験もできました。体験用の小さい桶でも櫂を桶の底から引き上げるときにはかなりの重さを感じます。

櫂突き体験の様子
かてぽん

かてぽん:よいしょ…よいしょ…

笛木さんによると、昔ながらの木桶でのしょうゆづくりは減ってきていて、木桶をつくる職人さんも少なくなっていることがわかりました。そのような中で、笛木さんは木桶づくりから関わり、昔ながらのしょうゆに関わる技術の継承に取り組んでいるということでした。

また、2024年の能登半島地震で被害に遭った輪島のしょうゆ蔵さんへ「同じしょうゆをつくる仲間として、何かできることはないか」と、20石(1石は10斗。100升。1,000合に相当する)の木桶をつくり、寄贈されるとのこと。伝統的なしょうゆづくりに取り組む中で、つながりを大切にする思いを感じました。

寄贈される木桶の底板に書かれた寄せ書き
かてぽん

かてぽん:昔ながらのモノづくりには、様々な人の、様々な技術が用いられているんだ。
一度失われてしまった技術って、なかなか取り返しがつかないね…。

かてぽん、仕込み蔵で感慨にふける

木桶の大きさ、もろみの重量感を味わった後は、仕込み蔵に移動です。先ほど見た、大きい木桶がなんと38本!
ここで2回の夏の期間、じっくり醗酵・熟成させてしょうゆがつくられているとのこと。
仕込み蔵の室内の気温は空調を入れず、ほぼ外気と同じ。夏は暑く、冬は寒い。厳しい環境の中で、見学での体験とは比べ物にならない重さの「櫂突き」が行われていると思うと、しょうゆの一滴一滴が貴重な、愛おしいものに感じられました。

木桶が並ぶ仕込み蔵と仕込み蔵の模型
かてぽん

かてぽん:「百聞は一見に如かず」とは、よく言ったものだねぇ…。じっくりと手間がかけられてつくられているんだね。

かてぽん、ひとやすみ

さてさて、仕込み蔵でしょうゆの香ばしさに包まれた後は、なんだかお腹がすいてきました。
しょうゆパークには、なんとレストランも併設されています。一押しのメニューは100%埼玉県産小麦・全粒粉の自家製麺のうどん。さっそくいただいてみましょう。
卓上には燻製じょうゆやだしじょうゆ、オリーブオイルしょうゆなど、笛木醤油さんのいろいろなラインナップが試せるようになっていました。しょうゆのスイーツ、木桶バウムやしょうゆソフトも楽しめます。

自家製麺のうどんとしょうゆソフト
かてぽん

かてぽん:おうどんはコシがあってもちもち!しょうゆのおつゆがよく絡んでおいしい!
しょうゆソフトは香ばしくて大好きになっちゃった~!

訪問のむすび

私たちの生活に身近なモノ。調味料のしょうゆもその一つ。ただ、その製造の過程や原料に触れる機会は身近なものでないかもしれません。生活を支える実物の材により近く、触れて、見て、食べる、といった実物での感覚を通した経験からは、食文化、食生活といったものだけでなく、環境、人とのつながり、地域の歴史など、たくさんの学びがあり、広がりを感じました。
しょうゆパークでは、しょうゆづくりに関わるワークショップ企画もあるとのこと。ぜひ、みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか。

しょうゆが並ぶ売店の棚
帰りにはお買い物も…。
かてぽん

かてぽん:このおしょうゆ、おうちで使うの楽しみ~。バウムクーヘンもお土産にしよ~っと!

笛木醤油株式会社

https://kinbue.jp/
寛政元年(1789年)創業。1964年、高度経済成長期の日本で開催された「東京オリンピック」。世界一の醤油をつくりたい、そんな思いから「金笛(きんぶえ)しょうゆ」が誕生。以来、笛木醤油の商品ブランドとしてベストセラーに。現在も「つなぐ伝統、つくる革新」を掲げ、小さなしょうゆ蔵の大きな挑戦を続けている。

金笛しょうゆパーク・金笛しょうゆ楽校

https://kinbue-park.jp/
所在地 〒350-0152 川島町上伊草654