こんにちは!開隆堂家庭科編集部です。このコラムでは、家庭科の先生方の日常や授業に役立つ情報を発信しています。 今回は、弊社教科書の小・中・高の系統性についてご紹介します。
開隆堂教科書の小・中・高の系統性
各教科書の特徴はこちらです。
●小学校は、学習目標を段階ごとに少しずつ習得し、学習を定着させるスモールステップをふみながら「楽しく学ぶ」・「安全に学ぶ 安心して学ぶ」・「学びを生かす つなげる」
●中学校は、中学生に寄り添い励ましながら「生活の身近な疑問がわかる」・「科学的根拠が視覚的にわかる」・「SDGs 誰一人取り残さない」
●高等学校は、「考えることは私たちの将来をつくる」として、「高校生が自由に考え・自分なりの答えを見つけることができる」
つづいて、各内容の特徴と教科書の項目です。
〇ガイダンス
・小学校では、初めて学ぶ家庭科の2年間を見通した学習の流れがわかる。
・中学校では、家庭分野の学び方と身につけたい力や、「自立と共生」、生活課題の取り組み方が具体的にわかる。
・高等学校では、環境や社会を取り巻く現実の課題に向き合い、人とつながりながら明日の生活を築いていくことを示唆している。
〇家族・家庭生活
・小学校では、自分の成長を自覚して、できる仕事を続ける、ふれあいや団らんを通して人とのつながりを深める、生活時間を工夫する、地域の一員として地域の人たちとかかわっていくストーリー。
・中学校では、多様な家族や暮らしの紹介や様々な立場の人の登場などで、他者理解につながる。幼児とかかわる経験のない中学生でも幼児の生活が想像できるリアルな写真やイラストが豊富。発達をベースにした子ども理解で、事例を通してかかわり方を考えることができる。
地域の高齢者を、元気に活動する・支援が必要など、異なる立場の両面から取り上げている。高齢者の身体的特徴を知ってかかわる体験も掲載。
・高等学校では、これまでの価値観を揺さぶり、思考を促すために、歴史的・国際的な視野、多様な見方、考え方を多く示している。
乳幼児の学習は、図表や写真を使って、子どもを取り巻く現代的な課題、乳幼児の発達や育つ環境をわかりやすく提示し、自分ごととして捉えられる。
様々な高齢者の暮らしや高齢期の尊厳と自立について考え、高齢者の特徴や高齢者福祉などを具体的に理解したり高齢者介助の体験なども実習したりする。
〇食生活
・小学校では、「なぜ調理をするのだろう」から始まり、題材ごとに「なぜ毎日食事をするのだろう」「ゆでる調理といためる調理は何がちがうのだろう」「料理や食品をどのように組み合わせて食べるとよいだろう」と、児童に「なぜ?」を問いかけて、学習が進むストーリー。
徹底した安全への意識・食物アレルギーへの注意・喚起を促し、調理実習の手順は、「わかる・見える・迷わない」横流れで、大きく示している。
・中学校では、中学生の「なぜ?」を引き出すことからスタートし、食品・栄養素・調理をつなげて学習し、調理実習を行ってから献立学習につなげる配列。調理学習では、Q&A形式で科学的に見る目が養える。また、目に見えない栄養素や食べ物の体内での変化などは視覚的に表現しており、科学的根拠に基づいた理解ができる。
・高等学校では、食の変遷を知り、おいしさを科学的に理解して、栄養素の学習や調理実習、日本と世界の食文化の学習から献立作成につなげる配列。高校生の興味・関心を呼ぶ専門家複数人からの提案は、科学に基づいていて説得力がある。「持続可能な食生活」では、中学校での食料中心の内容からさらに安全・環境・技術面の内容にも拡げている。
〇衣生活
・小学校では、各題材の始めに「なぜ針と糸でぬうのだろう」「ミシンぬいのよさは何だろう」「なぜ衣服を着るのだろう」「なぜ手入れをするのだろう」「どのようなふくろが使いやすいだろう」と、児童に問いかけながら授業展開ができるストーリー。
製作実習の手順は「わかる・見える・迷わない」横流れで、大きく示している。
・中学校では、「どうして衣服を着るのだろう」からはじまり、それぞれ具体的な写真を多用したり、中学校や中学生の実生活での取り組み例などを紹介したりして、生徒が伝統的な和服の文化も含めて衣生活を自分ごととして考え、学習に取り組める。製作例が多く、どれも基礎的な縫製技術が身につき、学校や生徒の実情に合わせて選択ができる。
・高等学校では、「着衣のはじまり」からスタートして、被服の機能や着装、日本と世界の衣文化などは写真を多用して、視覚的に理解が進む。被服の素材や心地よさ、管理などの学習は、実験データなどの資料を多用して、科学的に理解ができる。
〇住生活
・小学校では、寒い時期に「暖かい住まい方」、暑い時期に「すずしい住まい方」が学習できる配列なので、児童が実感を伴って取り組むことができる。各題材の最後の「生かす・深める」は主体的・対話的な活動によって、自分ごととして考えることができる。巻末資料では、家庭や地域の安全・防災がQ&Aの形で具体的である。
・中学校では、「漫画」や中学生の活動・取り組みや特徴的な住まいの工夫の写真などを通して、住まいは工夫しながら自然から命を守ってきたことが自ずとわかる流れになっている。
防災があたりまえの生活であることを前提として、防災については10頁にわたって、具体例を多く取り上げ内容が充実している。
・高等学校では、高校卒業と同時に自分で住まいを選択する場合に、何を重視するかの視点をもち、住生活は、建物だけでなく総合的な判断が必要であることが理解できるストーリー。
住まいの防災・減災について、具体的な図や写真によって、災害が発生する前後で高校生ができることを考えられる。
〇消費生活と環境
・小学校では、物やお金について、身近な買い物を通して実践し、その行動が持続可能な社会にどのようにつながるかを考えていくストーリー。衣・食・住の学習との具体的な関連についても、特集「できることから始めて、持続可能な生活をつくる」に取り上げている。
・中学校では、電子マネーなどの現金ではない数値による管理や地球規模で環境問題をとらえるなどの抽象的な内容を、豊富な事例やイラストで具体的な問題に結びつけて考えられる。
・高等学校では、高校生の身近でシンプルな問いかけからスタートして、一人ひとりの生活から世界に拡がる構成。経済と衣食住の生活を分断しないで、最新の情報を盛り込みながら、持続可能なライフスタイルや生活設計とつなげている。
〇巻末資料/生活の課題と実践
おわりに
いかがでしたでしょうか。家庭科は、小学校から中学校へ、中学校から高等学校へと発達段階に応じて、系統的に学ぶ教科です。児童・生徒が無理なく、自然に既習内容を定着させ、生活で実践していけるよう、教科書を編集しています。今回の小・中・高の教科書の系統性のご紹介が、少しでも先生方のお役に立てれば幸いです。