こんにちは!家庭科編集部です。このコラムでは、家庭科の先生方の日常や授業に役立つ情報を発信しています。
今回は、ミシンを使った製作実習での指導についてご紹介します。

ミシンの指導どうしていますか?

ミシンを使った家庭科の実習は、子どもたちにとって記憶に残る学習のひとつです。 日常生活でミシンにふれる機会が減っている現代だからこそ、授業では「失敗しても大丈夫」と思える環境づくりと適切なサポートが大切です。

今回は、子どもたちが主体的に取り組み、ものづくりの楽しさを実感できる「できた!」を引き出すミシン指導のポイントをご紹介します。

ミシンを使って製作実習に取り組む児童

「できた」を引き出す製作実習のポイント

技能の定着と意欲を高める題材構成

製作実習への意欲を高める重要なステップのひとつとして、自分の生活に必要なものやつくりたいものをイメージし、目的意識をもつことが挙げられます。まずはじっくりと課題を決める時間を大切に、その上で、子どもたち一人ひとりの技能レベルに応じて、簡単なものから複雑なものへと段階的にステップアップできるよう、題材の選択肢に幅をもたせる工夫が効果的です。自分の力に合った課題に繰り返し挑戦できる環境を整えることで、子どもたちは無理なく学習を進められ、確かな技能の定着へとつながります。

ミシンで縫製する様子

学びの環境を整える

はじめに手順の説明をしても、いざ実践となると迷ってしまう子は少なくありません。そこで、見通しをもって作業を進められるよう、段階見本や、個々の端末で繰り返し確認できる教科書の動画といった視覚的支援が有効です。さらに、ミシンの共同利用やグループでの製作活動は、子ども同士が自然とアドバイスを交わし、学び合いのきっかけを生み出します。こうした支援と協働の仕組みを整えることで、児童・生徒が教師に頼り切ることなく、自力で課題を解決する喜びを経験しやすくなります。

はさみで布を裁つ様子

製作中のミシンつまずきQ&A

Q.子どもから「下糸がでてこない」とよく言われます。どこを見るとよいですか?

A.下糸は「釜」と呼ばれる部分に左回りで回るようにボビンを入れます。
下糸が出てこないときは、①うまくその溝に糸がはまっていないか、②糸が誤って別の隙間に入っていないか、③ボビンの向きが間違っていないかをまずチェックしましょう。

下糸と釜の構造図

Q.まち針をとめたままミシンを使おうとする子どもに対し、どう声かけをするとよいでしょうか?

A.小学生や中学生では、そのような取り扱いをすると危険です。子どもに対しては、まち針とミシン針がぶつかって折れる可能性がある、まち針が指に当たるおそれがあるなどの危険性を伝えましょう。
ミシンで縫う前に、あらかじめしつけ縫いをしておくとよいでしょう。

まち針のとめ方としつけ縫いの手順図

Q.返し縫いはどの程度の長さを縫わせるとよいでしょう?

A.端から1~2センチ程度です。返し縫いが短すぎるとほどけやすくなり、長すぎると縫い目が厚くなって引きつれや見た目の悪さにつながります。

返し縫いの長さの目安
📄 資料「ミシンのトラブル対策」(PDF)

事前の準備やつまずきへの対策を整え、子ども同士が助け合える環境をつくることで、ミシンへの苦手意識は「やってみたい」という意欲へとつながります。「自分で縫えた!」「一人で解決できた!」という小さな『できた!』の積み重ねが、確かな技能の習得はもちろん、ものづくりに対する自信へとつながっていくはずです。