ホーム販売科学的な思考を育て、生活に応用できる 図解 家庭科の実験・観察・実習指導集

科学的な思考を育て、生活に応用できる図解 家庭科の実験・観察・実習指導集

科学的な思考を育て、生活に応用できる 図解 家庭科の実験・観察・実習指導集

特徴

教室で簡単にできる家庭科の実験・観察などをとりあげています(衣・食ほか)。手順をわかりやすく図解し、すぐに授業に生かせる指導の工夫を紹介しています。教師の事前研究用として、また簡単な実験などは授業での手引書として最適です。

実験・観察・実習に裏づけされた指導集

近年は生活様式や社会構造が大きく変化し、生活者として正しい知識、選択、行動が必要となり、その学習が家庭科に期待されています。また、今日のように、科学技術がますます進歩する中で、私達の生活を真に豊かにしていくためにも、科学的な思考と総合的な判断が必要となってきています。このため、家庭科の内容として、日常生活の諸現象に気づき、それを科学的に調べ、確かめ、理解し、考えさせるようなものにすることが望ましく、実験・観察・実習のような体験的な学習を導入することが不可欠です。また、児童・生徒が意欲的に学習に取り組むためにも、自ら調べ発見させるような実験・観察・実習を取り入れた授業にすることが必要であり、そこで得た知識は実生活に大いに役立つはずです。

実験・観察というと、定められた測定機器を使わないとできないとか、信頼できる結果が得られないのではないかという考え方もあると思われますが、精密で高価な測定機器を使わなくても、工夫次第で十分学習に役立つ実験・観察ができます。

本書は、わたしたちの生活を正しく認識し、よりよく工夫できるようにするために、学校教育の場において行える家庭科のやさしい実験・観察方法や、原材料を生かした実習を取り上げた。また、教具類は身近な材料を使って誰でも簡単につくれるもので、授業ですぐに活用できるものばかりです。さらに、ねらい、指導上の位置付け、留意点などを述べ、イラストや写真などによってわかりやすく説明し、実験・観察・実習ができるだけ豊かな実を結ぶことができるように配慮しています。

実験・観察・実習の必要性

近年、中・高校生や大学生など若者の理科離れや実験離れが起こっているといわれ、ものづくりや実験・観察・実習など体験的学習の必要性が唱えられています。確かに、小学生の頃はものづくりや実験・観察・実習にとても興味を示し、楽しんで行っているのに、中学校や高等学校に進むにつれて、ものづくりや実験・観察・実習に興味が薄れ、敬遠する傾向にあるようです。この原因は受験体制のい問題としても考えられます。しかし、実験というと難しい化学的、物理的な知識がないとできないとか、ものづくりや観察は長時間かかって面倒で、職人技の様な技術が必要と思い、敬遠してしまうこともあるのではないでしょうか。

この解決の一つとして、実験・観察をマジック的・ブラックボックス的な方法ではなく、もっと身近なものとして行うために、日常生活の中での現象や内容を取り上げ、自分達の生活と密着させたものにすることが必要です。実験・観察・実習好きな児童を実験・観察・実習嫌いな生徒にしないためにもいろいろな配慮をしなければならないでしょう。身近な生活現象に「なぜだろう」と興味・関心を持たせ、身近なもので教具を工夫してつくり、実物を見て手に触れて感動させ、「調べてみよう」「やってみよう」という意欲を持たせ、その成果を日常生活に生かすことのできる実験・観察・実習が必要です。

家庭科の学習と実験・観察・実習

家庭科の学習形態は、外国語、国語、社会(公民・地歴)、数学、理科などの教科と異なり、座学習、実験学習、観察学習や実習学習と、総合学習的な方法をとることができるのが特徴です。

特に、興味・関心の大切な学習ポイントである「気づく」ことのできるのは、日常生活の身近なところにたくさんあって、それらを契機として「調べてみよう」「やってみよう」という学習態度や意欲が生まれ、実験・観察・実習による「わかった」「できた」ときの喜びが見出されます。また、それらを発展させて「考える」「生かす」という成果もあり、さらに物事を正しく判断したり、真理を追求しようとする態度も、これらの実験・観察・実習学習を通して身につけさせることができます。

また、今日の加工品製造過程はブラックボックスに入っているようなものであり、それを理解するのが難しい状況です。そこで、加工品から行っている学習方法を改め、その原材料や製造原理がわかるような実習を取り入れながら「自分でやってみよう」と五感を働かせて作る学習も必要です。

このように、これらの実験・観察・実習の学習効果は豊かな生活に結びついていきます。こうした家庭科の学習は実験・観察・実習を有機的に授業に導入することによって、他の教科では得られない成果が期待できます。

本書の特徴と利用方法

実験・観察・実習を学校の授業として行うために、特に留意しなければならない重要なポイントは以下の10点です。

本書は、以下の項目を十分に踏まえ、身近にある材料を生かして手づくりの装置で実験・観察ができるように編纂しました。また、実験は難しく感じたりどう指導したらよいかわからないという場合や、「これなら生徒が自らやろうとする」「これなら生活に役立つ」と思える内容を紹介し、すぐに授業に生かせて、授業を効果的に行えるように配慮しています。

また、食品簡易テスト例や簡易テストを行う上での大切なポイントを加え、さらに、試料の入手先や見学施設なども載せているので十分に御活用ください。

  1. 手軽で簡単で、結果が明確にでる
  2. 楽しくでき、わかりやすい
  3. 生活を考え、確かめ、応用できる
  4. 科学的で再現性がある
  5. 目で見て、手で触れてわかる
  6. 手作りの装置を使い、設備・備品をあまり必要としない
  7. 原材料の性質と加工品のことがよくわかる
  8. 創造性と感性が養える
  9. 安全を配慮する
  10. 1時間の授業に対応できる

目次

まえがき
家庭科における実験・観察・実習について

  1. 繊維の原料を五感で知ろう
  2. 繊維を燃やしてみる
  3. 繊維を拡大して見る
  4. 香り袋を作って三原組織を学ぼう
  5. 繭の繊維は1,000m
  6. 布を織る
  7. 綿花を栽培し、糸を紡ぐ
  8. 草木で染める
  9. 水を吸う布はどれだろう
  10. 布の吸湿性を調べる
  11. 被服の保温性を調べる
  12. 被服の通気性を調べる
  13. 体から出る水蒸気を調べる
  14. ドライクリーニングとは?
  15. せっけんと合成洗剤
  16. あやしく光る蛍光染料
  17. 排水口から出た水は?
  18. 食物繊維のはたらき
  19. 知ってナットク、塩分濃度
  20. 清涼飲料水を科学する(清涼飲料作り/糖度を調べる)
  21. 栄養素を見よう
  22. 天然着色料を見つけよう
  23. 発色剤はどれくらい?
  24. 米を炊いている釜の中は?
  25. 牛乳パックでパンケーキ作り!?
  1. 小麦粉を調べよう/グルテンをとる
  2. 《手作り食品シリーズ》うどんを作る
  3. 《手作り食品シリーズ》バターを作る
  4. 《手作り食品シリーズ》ヨーグルトを作る
  5. 《手作り食品シリーズ》卵1個でマヨネーズとマシュマロを作る
  6. 《手作り食品シリーズ》生しぼり法で豆腐を作る
  7. 《手作り食品シリーズ》かたくり粉が水飴に!?
  8. 包丁名人になろう
  9. うまみと塩からさを「見る」
  10. 家庭科でスケッチ!?
  11. 乳幼児期のエピソードを描く
  12. 乳幼児のことばを聴く
  13. 気になる「わが家のお節料理」レポート

《巻末資料》

  • 簡易テストにあたって
  • 各県の消費生活センター相談窓口
  • 材料・用具の入手先
  • 主な繊維の見分け方
  • 参考文献
  • 見学のできる施設など

 

仕様

編著 日下部信幸、野田知子、明楽英世、佐野啓子、増尾清、首藤真弓
判型 B5
ページ数 100
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