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「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン

1996年、ミュージシャン・タレントとして活躍する池田貴族さんは、ガンの宣告を受けました。ほどなくして妻の一美さんの妊娠がわかり、一美さんは出産を決意します。そして、娘の美夕ちゃんが誕生。美夕ちゃんが1歳になった頃、池田さんは余命半年の宣告を受けます。池田貴族さん、一美さん、美夕ちゃんの姿を通じて、「家族について」「いのちについて」考えます。

“大切に生きる”ということ

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン取材が始まって3ヶ月くらいたった頃です。タクシーの中で池田さんは、まっすぐ前を向いたままつぶやくように言いました。「美夕が3歳になるまでは生きていたいんですよ。3歳になれば記憶に残るって言うじゃないですか。本当はずっと生きていたいんですよ」小さなビデオカメラを池田さんに向けていた私は何も言えませんでした。涙が流れました。
1998年暮れ、私は池田さんとはじめて会いました。池田さんの自宅の近くの小さな喫茶店でした。その翌日には抗がん剤治療のための入院が決定していた池田さんの顔色は悪く、肌もずいぶんと荒れていたのを覚えています。「僕の姿が同じような境遇にある人たちを勇気付けられればと思うんです。末期がんでも楽しんで生きられるってネ」と小さく笑いました。池田さんはその言葉通りに残された時間を生きたのです。
池田さんは音楽をもう一度やりたいと思っていました。CDを出しコンサートも開きたい、しかし正直、私は体力的にそれは無理なんじゃないかと思いました。でも池田さんはそれを実現していくのです。奇跡とはこういうことを言うんじゃないかと思います。そして何より池田さんは楽しそうでした。病気は悪化していたのに、生き生きとしてどんどん元気になっていったのです。
池田さんとお付き合いした6ヶ月、私はたくさんのことを学びました。中でも一番大切なことは「今日の時間をどう過ごすのか」ということです。「一生懸命とか真面目に、とかではなく、それは1日1日を大切に生きよう」ということなのです。大切に生きる・・・。池田さんは音楽という目標に向かって大切にその時間を過ごしました。音楽の仲間とアルバム作りのことで話し合うときは仲間の意見にきちんと耳を傾けました。妻の一美さん、愛娘美夕ちゃんと過ごす時間も大切にしました。常に前向きで後悔しない選択をしていました。そうすると不思議なことに顔が優しくなっていくんです。レコーディング、コンサートを終えた池田さんはとても穏やかな顔をしていました。
あなたにとって大切にその日をすごすことはどういうことなのでしょう?いま何か目標がありますか?最初から諦めていませんか?友だちを傷つけたりしていませんか?笑顔を忘れたりしていませんか?このビデオを見て是非考えてほしいのです。大切に生きるというのはどんなことなのかを。

ディレクター 石川明敏

ガンと闘いながら日常に向き合うということ
「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン―名古屋の病院に入院

「自分のすべてをカメラにとってもらえないだろうか。進行性のガン、しかし生きることは楽しい。それを伝えたい」池田貴族さんの想いは、入院した名古屋の病院から、映像として記録されることになりました。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン―病室での食事

年が明け体調が落ち着いてきます。一美さんは夫の食べる食事を、肝臓に負担をかけない食材と調理法を考えて、すべて作って病室にもってきます。妊娠がわかった後、池田さんは一美さんに「どうせ死ぬんだから」とつぶやいたことがありました。妻はそれを一喝しました。「そんな人の子どもは産めません」

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン―レコーディング

「一番楽しく感動することだから、それを死ぬ前にどうしてももう一度やりたい」ミュージシャン池田貴族は、ガンと戦いながら作詞を始めました。まず最初に書いた歌詞は娘へのメッセージソング「MIYOU」。退院を許された池田さんは、ミュージシャン仲間とレコーディングを行います。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン―退院後の花見

暮らしの中の小さな出来事を一つ一つ丁寧にこなし、決しておろそかにしない。生きるということ、それが素敵に思える日々の暮らし。2ヶ月後の検査入院では肝臓のガンは奇跡的に小さくなっていました。しかし、肝臓のガンは肺に転移していました。家族になんと言えばよいのか悩みながら池田さんは「娘が3歳になるまでは生きていたい」と語ります。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ ガンに侵されたロックミュージシャン―赤坂ブリッツでのコンサート

余命半年と宣告されてから10ヶ月、赤坂ブリッツは、末期がんのロックシンガーに何かがある、と感じた若者たちで埋め尽くされていました。「ステージに立つことができたら死んでもいいと思っていたけれど、やってみたらまたやりたいという欲が出てきた」といいます。

そのとき、あなたならどうしますか

おだやかな日々の暮らしの中、家族がいて泣いたり笑ったりする毎日。それがある日ガンという病気の宣告によって消されてしまいます。家族がガンに侵されたとき、わたしたち家族はどう生きていけばよいのでしょうか。医学の現状、家族の愛情、それだけでは乗り越えられない残酷な現実。そのとき、あなたならどうしますか。

※本ビデオは、1999年5月31日 日本テレビ「スーパーテレビ情報最前線」で放送されたものを再編集したものです。

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