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「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―全盲夫婦の子育て日記

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―全盲夫婦の子育て日記

共に幼いときに視力を失った荒川さんご夫妻の子育ての様子を記録したビデオです。最初のうちは哺乳瓶の熱湯消毒や入浴など苦労の連続ですが、段々慣れていく様子や、子どもに自分たちの故郷を見せたいと3人で帰郷する場面などを通じて、親子の愛情や保育、福祉を見つめなおします。

「障害を持っていることはなんてことないことなんだ」

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば目が不自由な荒川さんご夫妻から「子どもが生まれます」というお葉書をいただいた時、私は正直なところ「あー、なんて大変なんだろう」と思いました。夫婦お二人とも目が不自由で、さぞ不自由だろうと考えたのです。しかし、荒川さんご夫婦とおつきあいしているうちに、その考えが、間違っていたことに気づきました。例えば、哺乳瓶の消毒。熱湯の中での消毒は、目の不自由な広子さんにとって、最初は、とても大変なことでした。けれども、数週間後には、道具を工夫することで哺乳瓶の消毒は簡単にできるようになっていました。また、明弘さんの通勤にご一緒させていただいた時の経験も驚きでした。明弘さんは「耳」や「記憶」を目の代わりにつかって、なんなく通勤していたのです。

私は、荒川さんご夫婦とおつきあいをさせていただいたこれらの経験を通して、こう思いました。「目が見えないことは確かに不自由なことが多い。けれど、不自由なことは、工夫や、訓練で、不自由ではなくなるんだ・・・」。

私たちは、日常生活の中で「何かが人より不得意だったり、できなかったりすること」を「不幸なこと」だと思いがちです。でも、人間誰でも、不得意なことはあるのです。私だって友達に中々優しくできないし、英語も大の苦手です。そんな自分を「なんだかさえない不幸な人間だなあ」などと思ってしまうこともあります。でも、荒川さんご夫婦の生活を見て、「できないことは不幸なことではないんだ」と思えるようになりました。できないことがあったって、時間をかけて、工夫と努力を重ねれば、きっと解決できる方法があるはずです。

人間にとって大事なことは「何かができるとかできないということ」ではなく「心をどう持つか」ということではないでしょうか?できないことを「不幸なこと」と思ってしまうと、暗い気持ちになってしまいます。でも「できないことがあるということ」は「できない人の気持ちがわかる」ともいいかえることができるわけで、私はそう思うことで、なんだか少し元気になれるような気がします。

井上啓子(ディレクター)

目の見えない人の生活、そしてわたしたちがしなければならないことを知ります。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―

荒川明宏さんはホノルルマラソンを完走した目の見えないマラソンランナーです。その荒川さんから「待望の子どもが生まれます」と年賀状が届きました。全盲の夫婦が赤ちゃんを生み、自分たちの力だけで育てる。「この小さな手さえあれば」これは全盲夫婦の子育ての記録です。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―裕太くん誕生

出産8日目、荒川さん夫婦のお宅を訪ねました。赤ちゃんは体重2680gの元気な男の子、裕太くん。授乳にも口の位置があわずお母さんの広子さんと裕太くんの必死の探りあいです。一日10回このくり返し。一つ一つがただごとではありません。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―裕太くんの入浴

「お子さんの目が見えなかったらどうしよう、と思いませんでしたか」という質問に、荒川さんは「そんなことを考えてもしかたがない。自分は目が見えなくても悪い人生を歩いているとは思わないので、目が見えても見えなくても自分なりの人生をつくっていけばいいことではないのかな」とやさしく、力強く答えました。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―出産1ヵ月後

1ヶ月後、裕太くんに付きっ切りでなければならなかった広子さんはそばにいなくても裕太くんの状態がわかるようになっていました。熱湯消毒した哺乳瓶をお鍋から取り出すのも工夫してできるようになり、授乳にも苦労しなくなっていました。

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―記念撮影

家族揃っての記念撮影。最初は気が進まなかった二人にどうしても、と強くすすめたのは明宏さんのお母さんでした。3歳から施設の寮で暮らした明宏さんのアルバムには、家族との記録が殆どありません。お母さんは心の奥で今でもそのことを問い続けています。「明宏に母として親として家族として何をしてあげたのだろう」

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―裕太くんの視力検査

裕太くんが生まれて3ヶ月。そろそろ目が見えるかどうかわかる頃です。保健所の検診では視力検査が気になります。荒川さん夫婦には子どもが生まれる前から夢がありました。
「二人が生まれた故郷、栃木を裕太に見せたい。そして何でもない家族として故郷に帰りたい」

「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ この小さな手さえあれば―帰郷

待ちに待った裕太くんをつれての帰郷。栃木県の故郷までは約3時間の道のりがあります。初めての挑戦ですが「自分たちだけで歩きたいから手助けをしないでほしい」と考え、3人だけで出かけます。人ごみや段差の危険性、点字ブロックの必要性、目が見えない人への案内の仕方など、目が見える人は普段気にしないことがどれだけ大切なことなのかを学びます。

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