
図画工作で「総合的な扱い」の観点でまとめることができる題材を集めました。「総合的な学習の時間」での図画工作に関する部分を抽出できる題材など実践された先生方の例を集めて、これから始めようとする先生の助けとなる題材集です。
「総合的な学習の時間」は、具体的な内容が指定されているわけではありません。学校や授業者が内容を自由に選択して、教科を横断的に扱ったり、あるいは、教科を越えて、体験的、課題追究的、総合的な授業を編成することです。 これらの授業方法は、指導的、師範的な授業を行うことを前提とした教科観や指導観からはなかなか生まれてきません。「総合的な学習の時間」の授業を行うにあたって、現場に様々な戸惑いや動揺が起こっているのはそのためです。 ところが、図画工作科では、昭和55年実施の学習指導要領から位置づけられてきた「造形遊び」は、まさに体験的、課題追究的、総合的な授業方法であり、教科として長い間、実績を積み重ねてきた経緯があります。 また、「造形遊び」以外の内容としても、子供達の主体的な活動をうながす、こうした授業方法による題材の開発は、他教科に先んじ様々に研究、実践されてきたのです。 ここに、体験的、課題追究的、総合的な授業としての「総合的な扱いの活動」を先進的に研究、実践されてきた方々に題材を提案、執筆していただき、教科を越えて他に広く紹介していただきたく本“事例集”を刊行いたしました。 |
授業方法や条件を自由に設定し、編成することができるようになった一方で、授業者に対する新たな課題も生まれてきます。授業は無目的に行うわけではありません。つまり、課題追究型、総合型の授業を編成する意味や課題は何かということです。子供達に対する活動のテーマや目標、材料の大きさや量、あるいは、表現方法や様式の選択範囲などをどのように設定するか。これらのことをしっかりと構想、設定せずに授業を行うと、授業の舵を失って子どもたちの活動は散漫になったり、方向を見失ったりすることにもなります。 課題追究型、総合型の授業は、子どもたちの自主性や主体性を確保しながら試行錯誤を促し、拡散的な造形表現活動を編成するための一つの授業方法でありますが、それ自体は目的はないのです。 |
課題追求型や総合型の授業方法は、師範型や指導型の授業方法と比べ、教育効果としてどのような可能性が期待できるのでしょうか。以下の6点があげられます。
言い方をかえれば、これらは授業を編成するときの大きな柱となり、授業課題となるものです。つまり、課題追究型、総合型の授業は絵の描き方や物の作り方、あるいは、結果としての作品の仕上がり以上に、体験的な造形表現活動自体を重視し、表現を通しての自主的、主体的な係わり方や考え方、生き方といったことを授業の中心的な課題としているのです。 これらの課題の中から、子供たちの実態と指導者の意図にあわせ、いくつかの課題を選択し、造形的な内容と組み合わせて授業を編成していくことになります。 |




