
既刊本に収録できなかった実験・観察等のうち、準備しやすく生徒の興味・関心を引くテーマを取り上げました。家庭科の授業にすぐ活用できるのはもちろん、「総合的な学習の時間」にも使えます。
家庭科の授業を科学的な視点で行う、大好評の続編。
20世紀には、家庭生活を支えるいろいろな技術が開発され、生活が便利になってきました。これからわたしたちが生活していく21世紀には、情報や通信などの新しい技術の進歩がこれに加わり、家庭生活も様々に変化を遂げていくことでしょう。
しかし、科学や技術がどのように発展・変化していくにせよ、家庭科という教科にとって、実際に手を動かし、「もの」とふれあうことの重要性は変わることはありません。日常生活の諸現象に興味をもち、これを科学的に調べて、確かめたり、より深く理解したり、考えたりすることは、とても大切なことです。
また、社会の構造が変化し、生活様式やそこでの価値観が変化していく時代には、生活者としての正しい知識だけでなく、判断や行動が求められてくるでしょう。そのためにも、身近な生活の中の出来事に興味・関心をもち、「なぜだろう」という疑問を持ち、自ら進んで調べてみる学習の姿勢を持ち続けることは、これからの月光教育にとって欠かせないものです。
既刊の「図解家庭科の実験・観察・実習指導集」は、おかげをもちまして多くの読者に支えられ、全国の学校でこの本を基にした実験・実習が進められてきました。本書は、この続編として、主として、中学校・高等学校の家庭科の授業にすぐに生かせるような実験・観察・実習の事例を集めました。また、家庭科の枠を越えて、「総合的な学習の時間」における体験的な学習のヒントも取り上げています。あくまでも教科としての家庭科を重視しながらも、他教科と関連させながら生活を総合的に見つめるための教材として御活用下さい。
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「実験・観察・実習」を主体にした家庭科の授業のために
高等学校の家庭科では、総授業時間数の50%以上を「実験・実習」にあてることになっているように、家庭科は「実験・実習」を主体にした教科です。しかしながら、現状では学習が殆どを占めており、実験はごく一部しか行われていません。この理由は、適切な実験教材が見当たらない、簡単にできる実験教具がない、実習に時間をとられて実験をする時間的余裕がない、などが考えられます。
家庭科の実験学習では、私達の身近な生活現象を“なぜだろう”と気づいて興味・関心を持ち、身近なもので実験教具を工夫して作って“調べてみよう”と意欲を持ち、生徒自ら進んで実験に取り組み、“わかった”ことでその成果を考えたり、まとめたり、発表したりして、思考力や判断力を養うことができます。また、その成果は実習と同様に実生活に生かすことができるので学習効果が大きくなります。このように、「実験・観察・実習」で得た成果は“生活力”や“主体的に学ぶ能力”が身について、大いに役立つはずです。
特に近年は、急速に科学技術が発展し、生活様式や社会構造が大きく変化してきており、生活者として正しい知識と選択・行動が必要となっています。このような現状で、“生活力”をつける家庭科の学習が注目されており、それに応えるためにも、実習に偏っていた内容を、本来の「実験・実習」の姿にすることが必要です。このために、わかりやすい家庭科の「実験・観察・実習」教材が望まれるところなのです。
先に、「図解家庭科の実験・観察・実習指導集」を発刊したところ、授業にすぐ使えるので役に立つ、もっとたくさんの人の教材例を紹介してほしい、住居領域や環境問題に対処できる内容も入れてほしいなどの希望もありました。本書は、それらの意見を参考に、前編で取り上げられなかったものや、住居領域、環境問題、総合課題も加えて、家庭科のみならず「総合的な学習の時間」にも役立つように内容を精選しています。
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総合的学習にも生かせる「家庭科の実験・観察・実習」のための教材・教具
「総合的学習」では、特に体験的な学習や「ものづくり」学習を重視しており、さらに今日的な課題である環境、情報、健康・福祉、国際理解などにも対応できるようにしています。このように「総合的学習」は従来の見る・聞く・調べるという座学的な学習から、触れる・作る・体験する学習への転換であり、「百聞は一見にしかず」から「百聞・百見は一験・一触にしかず」への転換といえます。
前述の様に家庭科は「実験・実習」を主体として教科であり、従来から座学以上に、触れる・作る・体験する学習を重視してきているので、「総合的学習」の授業形態と共通しているところが多いと考えられます。
家庭科として総合的な性格を充実させると共に、教科の枠を越えた実践である「総合的学習」に生かすための「家庭科の実験・観察・実習」のあるべき内容は次のようにまとめられます。
- 児童・生徒が創意工夫を発揮し、自ら進んでできる体験的学習
- 生活や社会に役立つ「ものづくり」や生産・生産活動
- 情報、環境、健康・福祉、国際理解など今日的な課題に対応した内容
- 生活を見直し、生活力がつく学習
- 生活・地域・自然における問題解決ができる実験・観察・実習や、見学・調査などの学習
- 実験・観察・実習で行う課題がわかりやすくまとめ、発表し、検討できる内容
本書は上記の項目を特に意識して、題材を精選しています。 |
本書の特徴と利用方法
本書は前編に続いて、家庭科の実験・観察・実習を精選して取り上げています。家庭科に総合的な視点を取り入れて充実させるためと、「総合的学習」にも生かせるように、環境や総合的な題材を多く取り入れており、授業にすぐ活用できるように次の項目に重点をおいてまとめています。
- 用意するものは身近にあるものを利用する
- イラストや写真でわかりやすく図解している
- 簡単な実験でも科学的に裏づけしており、安心してできる
- 見やすいように1題材ごと原則として見開きページでまとめている
- 「ねらい」「指導上の位置付け」など、前編と同様に、実験・観察・実習に利用しやすいように配慮している
- 「留意点」で安全な取り扱い方や失敗しない方法がまとめてある
- おおまかではあるが、「所要時間」を入れて、授業での配分の仕方を配慮している(ただし1時間とは50分授業の1時間)
- 材料や用具のうち特殊なものは入手先を案内している
- 「総合的学習」にも役立てやすいように企業・団体博物館を紹介している
- さらに詳しく調べられるように文献や参考書を記載している
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